#664 家庭の防災で一番重要なことは「死なない環境」を作ること!
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、8月23日(水)、本日も備えて参りましょう!
改めて基本のお話
本日のテーマは「家庭の防災対策の基本」のお話です。
- 昨日の放送では、2023年秋に出版予定の書籍、家庭向けの事前防災の本のお話をいたしましたが、改めて防災対策の基本・優先順位について、お話をしたいと思います。
被災者の声を生かした防災リュックを購入しても「家」は頑丈にならない
- 非常食を準備する、防災訓練に参加する、地震保険に加入する、防災にも様々な項目がありますが、非常持ち出し袋…いわゆる「防災リュック」を準備することもそのひとつです。
- 防災リュックにも様々な種類のものがあり、かつては「このセットは実際に役立つのだろうか」と不安になるような製品もありましたが、毎年の様に大きな災害が生じる昨今では、「被災者の声を生かした、避難所で本当に欲しかった物を入れた防災リュック」が増えており、実際に役立つ防災セットが多くなっています。
- しかし当然ながら、防災リュックを購入しても「自宅」が頑丈になるわけではありません。津波や火災から避難するためのリュックを準備しても、大地震で自宅が倒壊して即死してしまえば、リュックを背負う人はもういないのです。
自分と家族の命を守る死なない環境作り
- 自分や家族が死ぬことを想像するのは嫌なものです。そのため、家庭で防災を行う際にも、自分や家族が死ぬことはあまり考えず、生き延びた所をスタート地点にすることが多くあります。しかし防災対策の優先順位で言えば、この嫌なイメージを正面から受け止めることが重要です。
- 家族全員が無事であり、避難所に集合したところをスタート地点とした対策を行うのではなく、大地震ならば揺れている最中、台風や大雨ならば自宅が水に飲み込まれている状況、こうした状況に見舞われても「死なない」ための準備を行うことが重要なのです。
- 命を守った後に生活をする準備、日常を再建するための備えは重要です。しかしこれらの対策は、災害で死ななかった後に初めて必要となります。個人と家庭の防災では、まず「自分と家族が死なない」環境を作成し、その次に生き延びたあとの準備を行わなければなりません。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「家庭の防災対策の基本」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!