Voicyそなえるらじお #988 「金」…今年の漢字に見る2024年の防災・災害世相について
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月13日(金)、本日も備えて参りましょう!
5年ぶり5度目の「金」
本日のテーマは「今年の漢字」に関するお話です。
昨日12月12日、毎年恒例の「今年の漢字」が発表されました。2024年の今年の漢字に選ばれたのは、「金(きん・かね)」です。ということで今回はこのお話。
「金」は3年ぶり5回目
「金」という漢字は、オリンピックのある年に多く選ばれています。はじめて選ばれたのはシドニーオリンピックのあった2000年です。その後しばらく「金」が選ばれることはありませんでしたが、2012年のロンドンオリンピック、2016年のリオデジャネイロオリンピック、そして2021年の東京オリンピックの年にも「金」が選ばれています。
これらの年には、毎度オリンピックによる活躍、スポーツや文化面における多くの「金字塔」、そして「金(かね)」にまつわる悪い問題などが選定理由になっていますが、良い意味での金字塔、あるいは金(かね)にまつわる悪い話は、昨今毎年の様に生じますので、これにオリンピックの活躍が加わると、自然と「金」が選ばれる環境になっているなと感じます。
2024年の「金」についても、ポジティブな理由としては
- 数多くの「金」メダル獲得に沸いたパリオリンピック・パラリンピック
- 大谷翔平選手が50-50達成と3回目のMVP獲得で値千「金」の活躍
- 佐渡「金」山が日本で26件目の世界遺産に登録、20年ぶりに新紙幣が発行されたことも話題
また、ネガティブな理由としては
- 政治とカネ・裏「金」問題などで政局が大きく変わり、衆議院議員選挙で与党過半数割れ
- 全国で闇バイトによる「金」目当ての強盗事件が多発し、多くの国民が不安に
- 止まらない物価高騰で家計を圧迫
などが今年の漢字ホームページで紹介されています。
災害や震災も多かった
2024年の今年の漢字、2位は災害のサイ「災(わざわい)」、3位は飛翔のショウ「翔(かける)」、4位は震災のシン「震(ふるえる)」、そして5位は新品のシン「新しい」でした。
2024年は1月1日の令和6年能登半島地震で1年が始まり、1月2日のJAL機炎上事故、5月に生じた太陽フレアの強い活動、7月12日の松山城土砂災害、8月8日の日向灘地震と南海トラフ地震臨時情報の発表、8月末の台風と豪雨被害、9月の奥能登豪雨など、災害や顕著な自然現象の相次ぐ1年でした。その意味では2位に災害のサイ、4位に震災のシン、が選ばれるのもよく分かります。
また防災的な選ばれ方としては、8位に選ばれた猛暑のショ「暑い」、10位に選ばれた米国のベイ「こめ」、20位に選ばれた戦争のセン「いくさ」なども、記録的な猛暑、夏の米不足、ロシアによるウクライナ侵攻での中距離弾道ミサイルの使用など、ネガティブ方面での出来事から多くの漢字が応募されています。
特に温暖化による気温上昇はいよいよ問題で、2024年の夏は昨年2023年に続いて、再び過去最高に暑い夏となり、熱中症対策が防災としても重要になっています。夏の停電でエアコンが止まった場合、本当に命にかかわる状況になっていますので、停電対策がますます重要になってきています。ちなみに猛暑のショ「あつい」という漢字は、昨年2023年に第2位に選ばれていました。
私の予想は「揺」でした
ちなみに、私が推した今年の漢字は、動揺のヨウ「ゆれる」という文字でした。能登半島地震や南海トラフ地震など地震の「揺れ」、多くの自然災害・自然現象・戦争による「揺れ」動く世界、政治不信、裏金問題などで「揺れる」社会、一方でオリンピックや大谷選手の活躍などで「揺れる」心、などが理由です。
上位20位までには入っていませんでしたので、結果的にはかすりもしませんでしたが、みなさんの予想はどうでしたか?
私個人の今年の漢字
そしてもうひとつ、これも毎年恒例、私の個人的な今年の漢字のお話です。まず過去の振り返りとしましては…
- 2021年は、プライベートにおいては39歳となり人生前半の最後の1年を迎え、一方ビジネス面においてはコロナ禍で始めたYouTubeやVoicyなどがまだまだ道半ばということもあり、半分の「半」、半ばという漢字を選びました。
- 2022年は、プライベートにおいては長男が高校へ、三男が小学校へ進学しましたり、仕事の面では書籍の出版を初め防災ビジネスが進展するなどしました。とうことで、40歳となり人生の後半戦をうまく進めて行きたいという思いから、進行の「進」、進むという漢字を選びました。
- 2023年は、プライベートにおいては過去で一番家族との交流が行えなかった、仕事まみれの良くない1年でした。逆に仕事においては、コロナ禍が明けて現場の交わりが戻ってきましたり、また1月には初めてのタカニストオフ会が、その後も北海道と東京で交流会を開催できたことが印象的ですので、交流の「交」、交わるという言葉でした。
そして2024年、備え・防災アドバイザー高荷智也の今年の漢字として選びたいのは...深海のシン「深い」という文字です。
2024年は新しい仕事や取り組みをバンバン行うというよりは、コレまでおこなってきた取り組みを深める1年だったように思えます。YouTubeやVoicyの拡大、防災ブランドSONAENOの新製品開発や、オリジナル防災リュック制作への着手、書籍「食料備蓄はじめてBOOK」の出版など、従来の仕事をより深める方向の活動が多くありました。
また、8月の南海トラフ地震臨時情報は、東海地震の「警戒宣言」に関する思いを断ち切る、大きな出来事でしたが、これは南海トラフのある深海4000メートルへの思いということでもあります。そして初めての海外出張、中国の「深セン」に出張へ行ったことも、個人的には印象深い出来事でした。
ということで、高荷智也的な2024年の漢字は深海のシン「深い」といたします。
2025年はどのような1年になりますでしょうか。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「今年の漢字」でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!