Voicyそなえるらじお #787 災害時のGPS活用…地図アプリやみまもりサービスは使えるの?
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月15日(木)、本日も備えて参りましょう。
地上が滅びても衛星は使える
本日のテーマは「災害時のGNSS/GPS活用」のお話です。
- 前回の放送では、GPSやみちびきなど、GNSSによる位置測位のお話をしました。これに関してご質問を頂きましたので、今回はそのお話。
- 質問を下さいましたのは「かぼちゃ?」さんです。
- 髙荷先生おはようございます。まさに昨日、寝る前に小学生の子供に見守りのGPSを買おうかな〜と悩んでおりました。GPSのサービスは震災発生後でも使えるものなのでしょうか?GPSではありませんがAmazonのエコショーも留守番中に監視と通話が出来るそうで気になっております。どちらも災害時に子供と連絡が取れるのかな?というのが気になっております。
災害とGNSS
- まずは災害とGNSSサービスのお話です。
- アメリカのGPS衛星や、日本のみちびき衛星などは、人工衛星ですから、宇宙を飛んでいます。そのため、地球が爆発して消滅するような災害が生じない限り、地球が滅亡しても人工衛星からの電波を受信することは可能です。
- 大規模な災害で地上がメチャクチャになり、また携帯電波…3G・4G・5Gなどが停波する状態になっても、スマホやカーナビなどの端末が生きていれば、GPSなどによる位置測定は問題無く行えます。
- ただ、例えばスマホでGPSなどを使う状況というのは、多くの場合地図の閲覧やナビゲーションの利用だと思います。この場合、スマホの電池が残っていれば、GPSなどの信号を受信して現在地点を求めることは出来るのですが、地図アプリなどにデータを読み込むためには、携帯電波やWi-Fiなどの通信が必要となるため、停電などが生じて携帯電波やWi-Fiが使えないと、結局地図アプリやナビゲーションが利用できなくなります。
- そのため、例えばgoogleマップなどは、オフラインモードというものがあり、事前に指定範囲の地図をダウンロードしておくことで、災害時で携帯電波やWi-Fiが使えなくなっても、スマホに保存したデータで地図を開き、GPSなどを使って現在地点を割り出し、ナビゲーションを使うことができるのです。
- googleマップのオフラインモードは、スマホで地図を起動して、右上にある自分のアイコンをタップすると開かれるメニューから、オフラインモードという項目を選択すれば、設定することができます。
- メチャクチャになった地上を、googleMapのナビで歩く、なんだか終末感がありますね。もちろんウィークエンドの週末ではなく、The endの方の終末です。
みまもりGPSは
- では、ご質問をいただいたみまもり系のGPSサービスは災害時に使えるのでしょうか。たとえば、「みてねみまもりGPS」という子どもに持たせる位置情報みまもりサービスがあります。
- 子どもにボタンがついている小さな端末を持たせて、保護者はスマホアプリを使い、子どもの現在地などを確認することができるサービスですが、子どもがもつ端末はGPSなどで位置情報を取得します。災害で地上がメチャクチャになったり停電しても、GPSなどの信号は受信できますので、問題無く位置情報を得ることができるのです。
- しかし、端末側で取得した位置情報を、保護者が持っているアプリに送信するためには、携帯電波が使える必要があります。「みてねみまもりGPS」の場合は、NTTドコモまたはKDDIの電波を利用しているため、このいずれかが無事であれば通信できますが、大規模な停電などでdocomoもauもダウンしている場合は、通信ができずにサービスを使うことはできません。
- 一方、保護者がつかうスマホアプリ側は、携帯電波だけでなく、Wi-Fiなど、とにかくインターネットが使える環境であれば大丈夫です。子どもの端末が、docomoかauの電波圏内にある必要があります。
- このサービスは子ども向けですが、もちろん高齢者やペットに持たせたり、自動車やバイクなどに搭載して盗難防止に使うことも可能です。ちなみにこの「みてねみまもりGPS」を運営しているのは、mixiです。mixiと聞いて何を思い浮かべるかで、世代が変わりますね。
Amazon Echo Showhは?
- なお、ご質問でいただいた、Echo Showについては、インターネットに接続されていることで双方向の通話が可能です。自宅が停電してWi-Fiなどが止まると使えなくなるため、あくまでも平時向けのサービスだということになります。
- 非常時にも絶対に使いたければ、スターリンクなどの衛星インターネットを自宅に用意して、それをポータブル電源などで動かせるようにするなどの対応が必要ですね。
本日も、ご安全に!
本日は「災害時のGNSS/GPS活用」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!