Voicyそなえるらじお #810 茨城県M5.3の地震…なぜ関東の地震はトレンドになるのか?
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月22日(金)、本日も備えて参りましょう!
茨城県南部の地震
本日のテーマは「首都直下地震」のお話です。
- 昨日3月21日の朝9時8分、茨城県の南部でマグニチュード5.3、最大震度5弱、の少し大きな地震が発生しました。顕著な被害は確認されていませんが、数日間は同程度の揺れに警戒が必要と、気象庁から発表がされています。
- 本日は首都圏での地震のお話です。
茨城の地震
- 昨日茨城県で発生した地震は、よく地震が生じている場所で、よくある大きさの地震が生じただけであり、常に備えるというコト以外、とくに慌てる必要は無いという地震でした。
- 関東平野はフィリピン海プレートの上に乗っていますが、その下に太平洋側から太平洋プレートが潜り込んでいます。このプレートの境界は常にズリズリと動いていますので、その歪みがたまって、ときおり地震が生じています。
- 今回地震が発生した茨城県南部は、おおよそ地下50キロあたりのところで、フィリピン海プレートと太平洋プレートがぶつかっていますので、そのあたりでときおり大きめの地震が、当然のように発生します。
- 今回発生した地震も、震源の深さは50kmと、まさにこのプレート境界で発生した、よくある地震ということで、特段特別視されることはなく、しばらくは余震が生じるので注意しましょう、という当たり前の発表がなされたということになります。
- 震源が50キロあたりになると地表までの距離も長くなりますので、大きな地震でも揺れは小さくなります。阪神・淡路大震災、熊本地震、能登半島地震などは、いずれも地下15キロ前後と浅いところで生じましたので、強い揺れによる被害が発生しました。地震は発生する深さによっても被害が大きく変わりますので、マグニチュードとあわせて深さにも注意することが重要です。
- また、このような地震が生じると、首都直下地震の前触れかと勘ぐりたくなりますが、このような地震の発生に関わりなく、いつでも関東地方のどこにでも、大きな地震が生じる可能性がありますので、あまり不安がらず、常に備えるという対応が必要です。
関東での地震はひきいされる?
- ところで、関東地方で災害などが生じると、すぐに全国ニュースやSNSのトレンドに掲載されますが、関東以外にお住まいの方…私もそうですが、にしてみると、なんだか東京周辺だけひいきされていてズルイと感じられるかもしれません。
- しかし、この関東地方…一都六県には、4千万人以上の方が暮らしています。日本の人口の3分の1以上が関東地方に集中しているということで、関東周辺で異変が生じると、日本人の3人に1人がSNSやらで話題にすることとなり、自然とトレンドに上がり、そしてニュースでも取り上げられるという状況になります。
- SNSが普及するまでは、自分が住んでいる地域以外のできごとを知る機会はあまりありませんでした。よほど大規模な事故や災害等、全国ニュースになるほどの事件性がなければ、関東以外に住んでいる方が、関東の小規模な出来事を知る機会は少なかったのです。
- しかしスマホとSNSが普及した昨今、距離の壁はなくなり、SNSへ書き込む人が多い話題がトレンドになり、それをニュース媒体も取り上げるようになっています。そのため、今までは知ることのなかった、自分が住んでいる地域以外の小さいな災害情報を見聞きするようになり、実態以上に災害が増えたなと感じられることが多くなったのだと思います。
- ということで、関東で少し大きな地震が生じると、やたらSNSやネットニュースで話題になるのは、単純にそれを話題にする人が多いからですよというお話でした。
本日も、ご安全に!
本日は「首都直下地震」のお話でした。
それでは皆さま、引き続きどうぞ、ご安全に!