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Voicyそなえるらじお #824 気候変動監視レポート2023に見る、2024水害シーズンの予習

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #824 気候変動監視レポート2023に見る、2024水害シーズンの予習

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月11日(木)、本日も備えて参りましょう!

気候変動監視レポート

本日のテーマは「気候変動」のお話です。

  • 全国各地で、桜が満開を迎えているニュース報道がなされています。
  • 桜が咲くと、季節は春、そして今年も水害のシーズンが近づいて参りました。
  • 本日は、水害と深い関連を持つ、気候変動のお話。

気候変動監視レポート2023

  • 気象庁では、毎年「気候変動監視レポート」という報告書を発行しています。
  • これは、社会や経済に影響を及ぼす気候変動に関して、日本および世界の大気や海の観測結果をまとめて報告してくれるものです。
  • この最新版となる、気候変動監視レポート2023版が、先日3月22日に公開されています。まもなく2024年の水害シーズンが開始しますが、その前に改めて、昨年2023年の気候変動の状況について振り返ってみましょう。

顕著な高温

  • トピックス引用
  • 『2023年夏は全国的に高温となり、特に7月後半からは北・東日本を中心に記録的な高温となった。7月下旬の平均気温は、北日本で1946年の統計開始以降1位の記録を更新したほか、東日本でも2位の高温だった。8月上旬の平均気温は、東日本日本海側と西日本日本海側で統計開始以降1位の記録を更新した。』
  • 理由としては、太平洋高気圧が日本付近に記録的な勢いで大きく張り出したことで高温になったことと、台風6号と7号が南寄りの温かく湿った空気を日本付近に供給し続けたことが、主な原因ということです。
  • 台風6号は、沖縄から台湾へ向かう途中にV字ターンを決めて、沖縄周辺で1週間ほど大きな影響をもたらし続けた台風です。沖縄全世帯の3割が停電し、最大1週間程度継続したことは、停電対策って重要だよねということを改めて認識する話題となりました。
  • また太平洋高気圧の記録的な張り出しは、まずインド洋での大気の活動が平年よりおとなしくなり、その影響でフィリピン海では逆に大気の活動が活発化し、さらにその影響でユーラシア大陸を西から東に流れる亜熱帯ジェット気流が普段より北上し、その結果として太平洋高気圧を阻むモノが少なくなり、日本全土が強烈な高気圧に覆われ続けたということです。
  • まさに地球はひとつ、いずれかの地域の気象現象が、どこかの顕著な気象現象をもたらすという状況ですが、こうした状況が複数重なることで、日本付近では記録的な高温になったそうです。
  • また、そもそもとして、ベースとして、地球温暖化により地球全体が温まっている。というのも大きな要因とか。

 

顕著な海水温

  • レポート引用
  • 『2023年の日本近海の月平均海面水温は、年を通じて平年より高く経過し、特に北海道南東方海域・本州東方海域では記録的に高い状態が続いた。2023年の日本近海の年平均海面水温の平年差は、統計を開始した1908年以降、最も高い値となった。』
  • 『2023 年の日本近海の海面水温が記録的に高かった要因の1つとして、日本付近が暖かい空気に覆われやすかったことが挙げられる。日本の 2023 年の年平均気温は、統計を開始した1898 年以降最も高い値となった。
  • また、日本の東では黒潮続流が三陸沖まで北上した状態が春頃から続き、海洋内部まで水温が高いために海面水温が下がりにくかったことも、日本の東を中心に記録的に海面水温が高くなった要因である。2023 年 7 月に行った気象庁の海洋気象観測船「凌風丸」による三陸沖の海洋内部の観測では、平年より約 10℃も高い水温が観測された。
  • さらに、2023 年は日本に接近した台風が平年より少なく、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったことも日本近海の高海面水温の要因となった。』
  • 引用ここまで

地球温暖化と増える温室効果ガス

  • こうした高温をもたらす原因のひとつが、地球温暖化です。
  • そして地球温暖化をもたらす強い要素が、大気中の温室効果ガス濃度の上昇です。大気中のCO2濃度や、メタンガスの濃度は、経済活動に伴う増加と森林伐採による固定化の減少により、長期的に増加しており、綺麗に右肩上がりとなっています。この状況は止まる気配が全くありません。
  • 一方、強烈な温室効果をもつことから、世界的に廃止された「フロンガス」については、徐々に大気中の濃度が減り始めています。これが無くなるのにはこの先100年程度の時間が必要ですが、やれば出来る、ということも証明されているのです。
  • ということで、温室効果ガスが増加し、地球温暖化が継続する限り、気温は夏も冬も上がり続けます。2024年の夏が昨年のような酷暑になるかはまだ分かりませんが、全体で見れば夏は災害級に暑くなりますし、海水温が上がれば大雨も増えるということで、水害対策は重要性を増しています。

本日も、ご安全に!

本日は「気候変動」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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