Voicyそなえるらじお #825 命を守るだけじゃない!一部屋耐震やシェルター&ベッドのメリット
最終更新日:
執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月12日(金)、本日も備えて参りましょう!
防災を諦めない
本日のテーマは「耐震シェルター」のお話です。
- 昨日4月11日は、三重県の津市の講演会で防災のお話をして参りました。この講演会の質疑応答で、耐震シェルターってどうでしょうか?というご質問をいただき、その際の回答について本日はお話いたします。
リフォームは無理だけれど
- 家庭の地震対策における最重要事項は、家を潰さないことです。どのような対策を行っても、自宅が倒壊してしまえば全て無駄になってしまいますし、潰れた建物は道路をふさぎ、火災を広げ、地域全体を危険にさらすことにもなります。
- 特に、1981年6月1日以前に、建築確認申請を受けた旧耐震基準の建物などは、震度6強の地震の直撃を受けた場合、1発目の揺れで即倒壊する恐れが高いため、あらゆる対策の前に、自宅を耐震リフォームするか、建て替えるか、引越をするか、が重要になります。
- しかし、耐震リフォームにも、建替にも、それなりのお金が必要となります。特に旧耐震基準の古い住宅の多くは、高齢者の方が暮らしており、今さら住み替えをすることは難しいというのも事実です。
- この時の選択肢として、家全体ではなく一部屋だけの耐震工事や、耐震ベッド・耐震シェルターを導入するという方法があります。
一部屋耐震・耐震シェルター
- 建物全体の耐震化工事には、数百万円から1千万円程度の費用が必要になる場合があり、これはおいそれと出せる金額ではありません。一方、家全体ではなく、リビングだけ、寝室だけなど、一部屋だけ耐震化するリフォームもあります。
- この場合、費用的には100万円程度から実施できるものもあり、大地震で建物が倒壊しても、その部屋だけは安全ゾーンにすることができるほか、建物全体がペシャンコになることを回避できる可能性も高まります。
- また、建物倒壊に耐えられる耐震ベッドを寝室に置いたり、揺れた時に逃げ込める耐震シェルターを室内に設置する方法もあります。こうした設備であれば数十万円から購入することができ、小型の耐震シェルターであればAmazonでも20万円ほどで購入することが出来てしまいます。
- 100%の安全を手に入れられるわけではありませんが、建物全体の耐震リフォームと比べれば、かなり現実的な費用感で対策が行えるため、耐震リフォームのネックがお金だけである場合の選択肢になります。
防災を諦めない
- 一部屋耐震リフォームや、耐震ベッド・耐震シェルターを導入するメリットは、直接的な安全確保だけにとどまりません。それは、「防災を諦めない」というマインドを入手できることです。
- 地震対策のキホンは建物の耐震化、しかしお金がなくて自宅の耐震化は無理、どうせ地震が起きたら自宅が潰れて死ぬから、もうなにもしたくない。地震対策だけではなくて、死ぬときは死ぬから、防災なんて無駄…。建物対策が難しいと、他の防災も全て諦めてしまう、ということがあり得ます。
- 防災はゼロかヒャクかではなく、命を守る対策を少しずつ積み重ねることが重要なのですが、それでも大地震による建物倒壊で即死する可能性がある、となると、他の対策も全て無駄に感じてしまうということです。
- この時、一部屋耐震や耐震シェルターを活用することで、大地震の直撃を受けても助かる可能性を高めることができます。すると人間欲が出るモノで、助かった後の生活が大変そうだからということで、その他の対策や防災備蓄にも関心が出る、そうした効果が得られます。
- ということで、一部屋耐震や耐震シェルターは、直接命を守る効果だけでなく、防災なんて無理・無駄というマインドを、少しでも前向きな物に変える、そうした効果がある。と思っています。もちろん自分自身で導入しても良いですが、実家などの地震対策としても有効です。いかがでしょうか。
本日も、ご安全に!
本日は「耐震シェルター」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!