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Voicyそなえるらじお #838 公助の防災の重要事項は「選挙」への参加!衆院補欠選挙のお話

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #838 公助の防災の重要事項は「選挙」への参加!衆院補欠選挙のお話

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月30日(火)、本日も備えて参りましょう!

最悪の民主主義と最良の専制政治どちらがいい?

本日のテーマは「防災と選挙」のお話です。

  • 一昨日、4月28日(日)に、衆議院補欠選挙が東京・島根・長崎の3区で行われました。今回は少し防災と選挙のお話をしたいと思います。

今回の補欠選挙の理由

  • 今回の補欠選挙、自民党が3つの選挙区で負けたと言われていますが、厳密に言えば自民党が候補者を擁立したのは島根県第1区だけで、東京都第15区と、長崎県第3区には、自民党の候補者が出馬していませんので、自民党が直接負けたのは島根県第1区だけとなります。
  • ただ、東京15区と長崎3区は、元々自民党が議席を持っており、そこに候補者を立てることができなかったため、議席の増減という意味において、自民党が三敗と言われているわけです。
  • さて、今回の補欠選挙の理由ですが、東京15区は前職議員が公職選挙法違反で起訴されたことを受けての議員辞職。島根1区は前職議員が病気により亡くなられたことによる欠員の発生。そして長崎3区は昨今の裏金問題で前職議員が起訴されたことを受けての議員辞職。これらが補欠選挙の理由となります。
  • 東京15区と長崎3区は、いわゆる不祥事による議員辞職ですので、自民党としても候補者を立てることが難しく、不戦敗により議席を失うことになりました。
  • 一方島根1区は病気により亡くなられた事による補欠選挙、かつ立憲民主党との一騎打ちとなり、自民党も全力で候補者を立てて応援した訳ですが、得票率で言うと58%対41%の大差で、立憲民主党が勝利しました。
  • しかも島根1区が現在の選挙区となってから、初めて自民党が議席を失った、という辺りも大きくクローズアップされて、これが民意である、などと報道されているのが直近の状況ということになります。
  • ところで今回の補欠選挙、注目すべきは結果だけではなく、その投票率の低さです。東京15区の投票率は40.7%、島根1区は54.62%、長崎3区は35.45%、いずれもその選挙区において過去最低を更新しています、これは大きな問題です。

防災と選挙

  • 自助の防災は我が家の意識が、共助の防災は地域のコミュニティが、そして公助の防災は法律が重要です。そして法律を作るのが国会の役割であり、その法律について反対賛成の票を投じるのが、私達国民の代表である国会議員と言うことになります。
  • 防災にまつわる法律はたくさんあります。日本における防災の基本を取りまとめている「災害対策基本法」をはじめ、建物に関しては「建築基準法」が、水害ハザードマップの作成に関しては「水防法」が、被災者の公的支援には「災害救助法」がそれぞれ重要ですし、
  • 国内の地震研究の多くを担っている文部科学省の「地震本部」は「地震防災対策特別措置法」が根拠法で、食料危機に備えて、全国に芋畑を作る計画などをまとめている農林水産省の「食料安全保障」は「食料・農業・農村基本法」が根拠法であったり、またコロナ禍において行われた緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置は、「新型インフルエンザ等対策特別措置法等」を改正しながら対応してきたということもありました。
  • 法治国家である日本においては、税金を使っておこなう国の防災活動は、全てに根拠法が存在します。公助による直接的な防災、あるいは間接的な対策を行うためには、とにかく法律を整備することが極めて重要で、
  • その法律を作るのも、賛成反対するのも、国会議員であるわけですから、私たちが政治に関心を持ち、全ての選挙に参加し、信頼できる推し議員を得ないことには、公助の防災は進展しません。ということで、公助の防災をよくするためには、選挙に参加することが大変重要なのです。

当たり前ではない

  • 選挙で投票を行える権利は、当たり前のものではありません。性別に関わりなく、職業に関わりなく、納税額に関わりなく、全ての国民が一人一票の権利を持っている国は当たり前ではありませんし、日本がそうなったのも比較的最近の事です。
  • 全ての国民は平等という権利を、文字通り血を流しながら私たちの先輩達が勝ち取ってきた訳ですが、それが当たり前の時代を生きていると、本来は大変貴重な選挙権が、ずいぶん軽い存在になってしまっていることが問題です。
  • もちろん最近の選挙では、誰に投票すればよいのか分からない、自分の意見を代弁してくれる候補者が一人もいない、そうした状況もあります。この状況でもいずれかの候補者に票を入れることが望ましいのですが、どうしても選べない場合は投票に行かず棄権するよりは、何も書かずに「白票」を投じたほうがマシです。
  • 投票に行かずに棄権した場合は、単純に投票率が下がります。一方で白票を投じた場合は、選挙の結果には1ミリも関係しませんが、投票率を上げる効果は得られます。そうした声なき声を投じることは、選挙自体を棄権するよりははるかにマシです。
  • 公助の防災の基本は選挙、ぜひ次の選挙がお近くで行われました際には、必ずご参加ください。私も選挙だけは毎回必ず行きます。それが国民の義務であり、そして大変貴重な権利であり、公助の防災に声を反映させる唯一の方法であるからです。

本日も、ご安全に!

本日は「防災と選挙」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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