おはようございます！備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月10日（月）、本日も備えて参りましょう！

防災も防犯も

本日のテーマは「防犯対策」のお話です。

昨日6月9日は、鍵の「ロックの日」であり、また「サイバー防災の日」でもありました。本日は防犯に関する意識のお話…。

6月9日は語呂合わせがしやすい日付ということもあり、色々な記念日が制定されています。防災の領域においては、日本ロックセキュリティ協同組合に制定された「我が家の鍵を見直すロックの日」、またLINE株式会社に制定された「サイバー防災の日」などの記念日が存在します。

まずはできることをする

日々の備えで重要なのは、自然現象に対する防災だけでなく、人間の悪意に対する防犯も重要です。しかし、万人に対して平等に襲いかかる自然現象と異なり、犯罪行為はターゲットにされた場合に被害が生じるという特徴があります。

自然災害においても地震や水害などの被害は、対策をきちんと行えば命を守るコトができます。もちろん想定外の被害が生じる可能性はありますし、また巨大隕石の衝突とか、超巨大噴火の発生とか、個人では太刀打ちできない自然現象もありますが、基本的には備えることで被害を軽減できるのです。

一方で本気の犯罪行為への備えは難しいことも多く、人間の本気の悪意に狙われた場合、それを完全に防ぐことは難しいという問題があります。怪盗ルパンとは言いませんが、本気の空き巣を防ぐことは難しく、また自爆テロタイプの無差別殺人を完全に回避することも困難です。

ただ、防災にせよ、防犯にせよ、備えられない対象があるからといって、全てを諦めるのは早計です。備えられない対象は確かにありますが、それが発生する可能性は低く、まずはカジュアルに巻きこまれる恐れのある、発生頻度の高い被害に対する備えを確実に行うことが重要なのです。

巨大隕石や超巨大噴火に対する備えは難しいですが、3日分の備蓄は誰にでもできます。本気の災害を完全に回避することはできませんが、軽犯罪のターゲットにされない対策は可能です。まずはできるところから、防災・防犯、実施して下さい。

防犯は基本が重要

例えば空き巣…侵入窃盗のターゲットにならないようにするには、どうすればよいでしょうか。我が家には金の延べ棒も、現金1億円も、100カラットのダイヤモンドもないから、空き巣に狙われることは無いよ。そうではありません。

見るからに傾いており、天井から草木が生えているような建物であれば、空き巣も素通りしてくれるかもしれませんが、そうでない限り空き巣は入りやすいところに入る、という特徴を持っています。1億円を狙うのは本気の詐欺集団のお仕事で、空き巣は財布に入っている数万円が得られればそれでよいのです。

侵入窃盗の手口ランキングを見ますと、戸建て、マンション、共に第1位は「鍵の開いていた窓・ドア」からの侵入です。そして第2位と3位には、ガラス破りと合鍵により侵入が続きます。空き巣対策の最重要事項は、鍵をかけるという当たり前の行為を当たり前に行うことなのです。

さらに、空き巣は5分以内にお宝をゲットできない場合、64%が犯行を諦めるということが分かっています。さらに10分以内に目的を達せられない場合は、86％が犯行を諦めています。泥棒のお仕事を5分から10分妨害できれば、ターゲットにされても被害なしという状況を作れる可能性が高まります。

貴重品を分かりやすい所にしまわない、無造作に現金などを放置しない、といった置き場所の対策の他、金庫を活用することも重要です。以前YouTube動画で、セントリーの金庫レビューをしたことがありましたが、鍵のかかった金庫、本気で狙われた場合はいつかこじ開けられますが、5分から10分の妨害であれば十分に効果はあります。

なんなら金庫はおとりにして、さも大切そうに小銭でもいれておき、貴重品は分かりにくいところに締まっておく、という方法もあるかと思います。

言い方は悪いですが、広い範囲が同時にやられる自然現象とことなり、空き巣などの軽犯罪はターゲットがたくさんあります。泥棒だって鍵の開いている家と、空いていない家があれば、鍵の開いている家に入りますし、金庫が登場したらそこは諦めて次の家に向かうという思考になるわけです。

お隣さんよりも相対的にセキュリティが高ければ、侵入窃盗などは回避できる、基本を抑えることをまずは重視してください。

本日も、ご安全に！

本日は「防犯対策」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に！