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Voicyそなえるらじお #867 令和の米騒動?お米がなくなる?…数字と仕組みでみる実情について

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #867 令和の米騒動?お米がなくなる?…数字と仕組みでみる実情について

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月12日(水)、本日も備えて参りましょう!

お米はあります

本日のテーマは「お米不足」のお話です。

直近のニュースなどで、お米の値段が高騰しており、米不足が生じているという報道がされています。実際、お店のお米売り場をのぞいてみると、欠品になっている銘柄なども存在し、確かに部分的なお米不足が生じているのは事実の様です。このままではお米が買えなくなる、令和の米騒動に発展するのでしょうか。

お米の在庫量について

結論から言えば、お米の現物はきちんと存在しますので、まだ慌てるような時間ではありません。しかし、流通周りでお米の高騰が生じていることは事実です。お米の現物は存在するので、本格的な米騒動に発展することはないが、いつも買っているお米が多少値上がりしたり、入荷しなくなったりする可能性はある、という点に注意が必要です。

2024年現在、お米の年間消費量は約670万トンです。これを日本の人口で割れば、1人当たり54キロとなります。1人あたり、毎月5キロのお米を消費するのが平均ですが、もちろんもっと食べているという人もいれば、そんなに食べていないという方もいると思います。

ちなみに、1日に必要なカロリーを全てお米で摂取しようと思った場合は、1日あたりおにぎり13個相当、約4合の米が必要です。1年分では231キロとなります。現代の食生活においては、必要カロリーに占めるお米の割合は4分の1程度だということになります。

話を戻しますが、現在のお米の年間消費量が670万トンですので、毎月55万トンのお米の在庫があれば、基本的にお米を欲しがるかた全てにお米を販売することができるようになります。

直近でお米不足が生じているということですが、実際にお米の在庫はもう無いのでしょうか。農林水産省が毎年出しているお米の需給見通しによれば、2024年6月末現在のお米の在庫量は、177万トンと推定されています。必要量の三ヶ月分以上の在庫はあるということになりますので、お米の現物は不足していません。

そして、早い地域では7月ごろから新米の収穫が始まりますので、向こう数ヶ月以内に巨大隕石が衝突するとか、超巨大噴火が発生する、などの自体にならない限り、お米の需要に対する在庫は十分に持つ、というか余っているという状況になります。令和の米騒動は起こりませんので、まずは安心して下さい。

なぜ米不足の報道が

では、なぜ今、お米不足の報道がなされたり、実際にスーパーやドラッグストアからお米がなくなっているのでしょうか。

今、日本のお米の生産と供給は、かなり細かい数字で管理されています。人口減少のため毎年お米の需要は減り続けており、これに合わせる形で生産量も減らし続けているのですが、基本的には翌年食べる分しか作っていないという状況なのです。

一方、昨年2023年のお米の収穫状況は、全国的に見ると平年並みの101という数字、ほぼ計画通りに収穫が出来ているはずでした。しかし実際には過去最高の猛暑の影響を受け、報告されている値よりも収穫量はやや少なく、また酷暑の影響でお米の品質が低下し、お米を精米する際に、想定よりも多くの玄米が必要になる状況になっています。

このような状況を受けて、お米の生産と供給の流れに少し狂いが生じています。量で言えば20万トンほど計画よりもお米が足りていない状況だということです。お米全体の在庫は177万トン、十分にあります。しかしお米の生産・流通・供給を細かく行いすぎているため、わずか20万トンの減少が、販売価格という面には大きな影響を与えています。

お米に限らず、小麦、トウモロコシ、大豆などの穀物全般に言えることなのですが、食料の価格というのは在庫のわずかな増減で大きく変化する特徴があり、総量で見れば在庫は足りているのに、市場に出回る現物がわずかに減少すると、価格は大きく上昇するということが、いろいろな場所で生じています。

直近のお米不足においても、お米そのものはありますし、まもなく2024年の新米が出回りはじめますので、全ての人が普段通りにお米を買っていれば、不足することはありません。ただ、銘柄によっては不足するものがあったり、お米の品質が多少低下することはありうるため、普段買っているお米がなくなる、または多少値上がりする、ということはあり得ます。

ちなみに私は生協のパルシステム会員で、契約米を定期購入しています。この辺りについて、お米不足のアナウンスはなく、特に問題無く流通しているようです。

問題なのは、このようなニュース報道を受けて、あわてて普段食べている量以上にお米を買いだめする人が増えることです。精米したお米は、冷蔵庫で保管したり、無酸素保存などの手法をとらなければ、夏場は一ヶ月もちません。トイレットペーパーの買いだめはそれを10年かけて消費すれば良いのですが、お米は虫とカビと酸素でお米がダメになるため、買いだめが出来ないのです。

お米がなくても、パンでも、麺でも、他に食べるモノはいろいろあります。現時点において慌てることなく、しかしお米の報道で一喜一憂したくない場合は、お米の長期保存とローリングストックをご検討ください。コレに関する詳しい方法は、2022年に出版した書籍、「今日から始める本気の食料備蓄」に詳しくまとめてあります。今日のチャプター3のURLに、書籍のアマゾンリンクを貼っておきますので、よろしければチェックください。

本日も、ご安全に!

本日は「お米不足」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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