Voicyそなえるらじお #871 対策すれば効果が出る、ブロック塀撤去!大阪府北部地震から6年
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月18日(火)、本日も備えて参りましょう!
大阪府北部地震6年目・山形県沖地震5年目
本日のテーマは「地震とブロック塀」のお話です。
本日6月18日は、2018年に発生した大阪府北部地震から6年目、2019年に発生した山形県沖の地震から5年目を迎える日です。2018年の大阪府北部地震では、倒壊したブロック塀の下敷きになった小学生が命を落とすなどの被害が生じました。この地震から6年、小学1年生が6年生となる期間が経過しましたが、その後の対策が進んでいるのか、地震とブロック塀に関するお話です。
大阪府北部地震
ちょうど6年前の今日、2018年(平成30年)6月18日の朝7時58分、大阪府の北部で、マグニチュード6.1、深さ13キロ、最大震度6弱を観測する地震が発生しました。大阪周辺には複数の活断層が存在しますが、2018年の地震は未知の断層の動きだったということで、直下型地震はいつでもどこにでも生じる、そうしたことを改めて認識する地震でした。
この地震では、大阪府で6名の死者が生じました。このうち2名がブロック塀の倒壊に巻き込まれたことによるもので、80歳の男性と、9歳の女の子が命を落とされました。特に、小学校への登校中に、その学校のブロック塀の倒壊に巻きこまれた当時小学4年生だった女の子の死は、マスコミ報道などによって大きく取り上げられました。
ブロック塀による被害
ブロック塀倒壊による被害は、大阪府北部地震に限られる被害ではありません。過去の地震でも繰り返し被害が発生してる、分かっている被害原因です。また、2022年に東京都が改訂した、首都直下地震等による被害想定でも、都内だけで205名がブロック塀の倒壊により死亡、7,057名が負傷するという被害想定がなされています。
大地震によるブロック塀被害は、過去にも生じてきましたし、今後も震災でも被害が想定されている、分かっている危険ということが言えるのです。
大阪府北部地震の後、ブロック塀による被害が生じた大阪府高槻市では、高槻市が保有する施設のブロック塀を全て撤去し、新規の設置もしない方針を定めるなどの対応を行いました。地震発生後から5年間でブロック塀の撤去が9割完了、2028年までに全ての撤去を終える見込みということです。
一方、個人の住宅などにあるブロック塀撤去・フェンスや生け垣などへの置換えについては、撤去の補助金なども出しているもののなかなか進んでいないのが現状です。例えば大阪府では、小中学校の通学路にあるブロック塀、8,800箇所が大地震で倒壊する可能性があるとリストアップしていますが、地震から5年、2023年時点で対策が取られたのは1,100箇所、全体の9割ほどはいまだ危険な状態で放置されている状況です。
宮城県沖地震
大地震によるブロック塀の危険性が強く意識された地震としては、1978年(昭和53年)の宮城県沖地震があげられます。この地震により、宮城県内で16名がブロック塀の倒壊に巻きこまれて命を落としました。この被害を受け、1981年の建築基準法改正では、ブロック塀の高さ規制などが厳しくなるなど改正されました。
また、宮城県では県内の通学路を調査し、危険と判定されたブロック塀の所有者に助成金を出して撤去を行ったり、その後も継続的にブロック塀の調査と撤去を進めた結果、2011年の東日本大震災では、ブロック塀の倒壊はあったものの、死亡事故はゼロだったという成果をもたらしています。
危険なブロック塀の撤去は、確かに被害軽減の効果を得られるということが分かったのです。大地震はいつ・どこに生じるか分かりませんが、対策による被害の軽減は出来ます。自分自身としては、危険なブロック塀を撤去する、させることを意識。通勤通学路上にブロック塀がある場合は、日々の通行に注意を払いつつ、行政などへの働きかけを行うなど、息の長い対策が必要であると言えます。
本日も、ご安全に!
本日は「地震とブロック塀」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!