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Voicyそなえるらじお #889 サル痘改めエムポックスは今…世界的な終息と国内の流行のお話

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #889 サル痘改めエムポックスは今…世界的な終息と国内の流行のお話

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、7月17日(火)、本日も備えて参りましょう!

あの人は今

本日のテーマは「感染症」のお話です。

7月23日は、2年前に感染症「サル痘」に関する緊急事態の宣言が発令された日です。新型コロナの次のパンデミックかと、一時期急激に注目されたサル痘ですが、その後はどうなっているのでしょうか。本日はこのお話。

実はサルではない

はじめに重要なお話を。サル痘は、2023年5月に法律上の名称が変更され、現在は「エムポックス」と呼ばれています。そのためここからも、サル痘改めエムポックスと呼びたいと思います。

ということで、サル痘改めエムポックスですが、エムポックスに感染すると、発熱、頭痛、リンパ腺の膨張などが発生し、顔面・腕・足などに水疱ができることが特徴です。多くの場合は数週間で回復しますが、状況により重症化、また致死率も1%から最大10%と極めて高く、警戒がなされていました。

感染経路としては、アフリカに生息するリスなどのげっ歯類や、サル・ウサギなどとヒトが接触することで感染します。サル痘という名称は、初めてウイルスが見つかった動物がサルだったからで、実際にはげっ歯類がキャリアになることが多いそうです。現地のサルにとっては風評被害といういところでしょうか。

また、感染したヒトの血液や体液などを通じて、ヒトからヒトへの感染も広がります。空気感染の事例はなく、基本的には接触でのみ広がる感染症です。

エムポックスは1970年にアフリカ、現在のコンゴ民主共和国で初めてヒトへの感染が確認されました。接触でしか広がらないため爆発的な流行はなく、しばらくは中央アフリカから西アフリカにかけて流行する、風土病の様な扱いになっていました。

ところが、2022年の5月以降、世界各地でエムポックス患者が増加し、日本でも2022年7月25日に1例目の患者が発生、その後2024年7月現在も散発的な発生が続いており、日本国内の感染者は247例、全世界では9万人以上の感染例が報告されています。

そのため、ちょうど2年前の2022年7月23日、WHOから「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」が発表され、強い警戒が呼びかけられました。コロナの終息前の発表でしたので、ポストコロナかと一時期話題になったわけです。

その後

ところが、その後全世界的には新規感染者・死者数が大幅に減少し、WHOは2023年5月12日、緊急事態の宣言の終了を宣言しました。ちょうどこの1週間前に、新型コロナウイルス2019についてもWHOから終息宣言がなされており、コロナとサル痘改めエムポックス、共に2023年5月に社会的な終息となったのです。

ただ、日本の場合は、エムポックスの終息宣言の後から感染者が増加していたり、コロナに関しても直近で感染者が増加するなど、WHOの終息宣言はあくまでも「全世界的なパンデミックの終わり」を意味するだけであり、地域ごとの流行については別のお話。

とくにコロナについては半年ぶりの流行のピークに入り始めている状況ですので、冬場のインフルエンザと同じように、基礎疾患を持っていたり、感染を避けたいと考えている方については、3密回避、手洗い、などの対策が引き続き必要となります。

本日も、ご安全に!

本日は「感染症」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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