Voicyそなえるらじお #892 なぜ「梅雨明けです」ではなく「梅雨明けとみられます」なのか?
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、7月19日(金)、本日も備えて参りましょう!
企業にもフェーズフリー
本日のテーマは「梅雨明け」のお話です。
全国的に梅雨明けが始まりました。一昨日、7月17日には九州南部が、昨日、7月18日には東海と関東甲信地方に対して、気象庁から「梅雨明けしたとみられる」と発表がありあした。今後各地域に広がっていく見込みです。
といことで今回は梅雨明けのお話なのですが…
梅雨明けしたとみられる
気象庁から発表される梅雨明けに関する言葉は、「梅雨明けしました」ではなく、「梅雨明けしたとみられます」という表現が使われます。なぜ梅雨明け宣言ではなく、したとみられるという、フワッとした表現が使われるのでしょうか。
実は、梅雨明けの日付が確定するのは、完全に梅雨が終わったあと、毎年9月頃なのです。毎年6月から7月頃にかけて発表される梅雨明けの情報は、位置づけ的には速報です。梅雨入りと梅雨明けは社会的にも影響をもたらしますので、気象庁からの発表が毎年なされていますが、梅雨入りと梅雨明けの確定は梅雨が終わったあとに検討されています。
毎年9月頃に、梅雨時期の気象を振り返り、「うーん、今年の梅雨入りと梅雨明けは、天気を見るとこの辺りですね」と決めているのです。そこで初めて、梅雨入りと梅雨明けの日付が確定しますので、速報で発表していた日付と、確定の日付が異なる日付になる場合もあります。
例えば2022年の梅雨はメチャクチャな状況で、九州から関東甲信地方に対して、6月27日から28日頃に梅雨明けの発表がなされましたが、その後再び大雨が続くようになり、2022年の梅雨明けは7月20日以降の日付に改められたことがあります。また北陸と東北については、梅雨明けが特定できないということで、梅雨明けしないままシーズンが終わるという状況になりました。
なお、後から特定するという方法は、大地震においても同じことが行われています。大きな地震が発生した際の、前震・本震・余震と言う言葉、これも一連の地震活動が収束してからでなければ決められませんので、前震・本震・余震は全て後付けになっています。
今年2024年の梅雨、まだ確定ではありませんが、遅い梅雨入りと平年並みの梅雨明けにより、かなり短い期間となっています。一方、梅雨の期間中に降った雨の量は平年並みかそれを上回る雨量が観測されており、短い梅雨の期間にドカッと雨が降る、しとしと梅雨ではなくゴリラ梅雨というべき状況になっています。
温暖化による気候の極端化は冬にも生じていますが、生まれて始めの水害がいきなり過去最悪のスーパー水害ということもありえますので、梅雨明け後も突発的な大雨や台風に警戒を続けて参りましょう。
本日も、ご安全に!
本日は「梅雨明け」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!