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Voicyそなえるらじお #881 防災にも重要な宇宙開発…H3ロケット打ち上げおめでとう!!

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #881 防災にも重要な宇宙開発…H3ロケット打ち上げおめでとう!!

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、7月2日(火)、本日も備えて参りましょう!

H3ロケット打ち上げおめでとう!

本日のテーマは「防災と宇宙開発」のお話です。

昨日、2024年7月1日、お昼過ぎの12時6分頃、日本の新しい大型主力ロケット、「H3」の3号機が種子島宇宙センターから打ち上げられ、無事成功しました。本日は防災においても重要な、宇宙開発のお話です。

H3ロケット

これまで日本の大型主力ロケットとして活躍した、H-IIA/Bロケットに変わる次の主力ロケットとして開発が進められていたH3ロケット。2023年3月に打ち上げられた試験1号機は打ち上げ失敗、続いて2024年2月に打ち上げられた試験2号機は成功。そして昨日、いよいよ試験ではなく本格的な打ち上げスタートとなる3号機も、無事成功しました。

H3ロケットは、従来のH-IIA/Bロケットと比較して、より大きなものを、より安全確実に、そしてより安く打ち上げるために開発されたロケットで、日本の宇宙開発の根幹を担う主力ロケットとして、10年にわたる期間を経て開発されてきました。今回の成功でいよいよH3ロケットの運用が本格化されることになり、これは大変に素晴らしい事と言えます。

現在、自力でロケットを開発して宇宙へ飛ばすことのできる国は、約10カ国あります。昨年2023年には、全世界で約200基のロケットが打ち上げられましたが、半分がアメリカ、3割が中国、1割がロシアで、残りをその他の国のロケットがしめています。H3ロケットは、打ち上げ回数も従来より増やすことができるため、今後に期待が持たれています。

アメリカや中国と比較すると、日本のロケット打ち上げ回数は少なくなっていますが、それでも自力で宇宙空間に人工衛星を打ち上げられる国自体が少数ですので、ギリギリのところで日本は宇宙開発の先進国の位置をキープできていることになります。H3ロケットの打上が成功したことは、本当に喜ばしいことだったのです。

防災と宇宙開発

昨日打ち上げられたH3ロケットには、JAXAが開発して運用する、先進レーダー衛星「だいち4号」が搭載され、これも無事に衛星軌道へ投入され成功しました。

人工衛星「だいち」シリーズは、「合成開口レーダー」と呼ばれる機器を搭載していることが特徴です。合成開口レーダーは、マイクロ波を使って宇宙から地球を観測することができるレーダーですが、簡単に言えば、夜でも地上が見える、雲に覆われていても地上が見える、地上が植物に覆われていてもそれを無視して台地の状態を見ることができる、などの特徴を持っているすごいレーダーです。

現在運用されているだいち2号の後継機として、さらにパワーアップしただいち4号の運用が開始されることで、日本全体の地殻変動、海の状況、災害の状況などを宇宙から観測できるようになり、これは防災においても大変役立つ人工衛星として使われることになっています。

例えば大雨で洪水などが発生した際、この被害の状況を地上で観測するのはかなり大変ですが、だいち4号であれば、夜間でも、雲が出ている状況でも、宇宙から被災地にレーダーを飛ばして、被害の状況をあっという間に調べて地図などを作成することができます。これは大変素晴らしい機能です。

今後H3ロケットは、日本版のGPSと言われる、みちびきシリーズや、最新の気象衛星ひまわり10号、また火星を探査するための調査衛星などの打ち上げを次々に予定しており、防災の領域においても大変重要なミッションをこなしていくことになります。人工衛星は生活にも、防災にも欠かせない存在です。これを安全安心に打ち上げられる国産のロケット、今後の活躍やさらなる発展が期待されます。

本日も、ご安全に!

本日は「防災と宇宙開発」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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