Voicyそなえるらじお #897 現在地×リアルタイムの水害危険度が分かる「キキクル」を活用!
最終更新日:
執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、7月29日(月)、本日も備えて参りましょう!
気象庁・危険度分布
本日のテーマは「キキクル」のお話です。
本日も全国的にすさまじい猛暑が想定されていますが、東北・北海道では梅雨末期の大雨に対する警戒も呼びかけられています。暑さという災害、大雨という災害、いずれも命にかかわる脅威です、ぜひご注意ください。
さて、この大雨に関連しまして、本日はコメント欄にいただいたご質問への回答です。質問をくださいましたのは「あきれサンタさん」。
『おはようございます。我が家も水害リスクありの地域、レベル3ですぐに逃げられるよう備えていくつもりです。
こんな防災アプリが欲しい。最近はスマホに災害と避難を促す通知がよく来るのですが、平成の大合併移行、自治体のエリアが広がって、今自分が避難するべきかどうか悩む事があります。スマホの位置情報と連動し、ユーザーがいる地点の危険度をピンポイントで通知するシステムが整備されると嬉しいですね。』
キキクル
自分の住んでいる自治体や地域全体ではなく、自分が現在いる場所のリアルタムな危険度が分かればいいのに…分かります、オススメのアプリをご紹介します。
みなさまのスマートフォンやパソコンのWEBブラウザで、「キキクル」と検索してみてください。検索結果に気象庁の「キキクル(危険度分布)」というWEBサイトが表示されます。これが水害時、自分の場所の危険度をピンポイントかつリアルタイムで教えてくれるアプリ…、厳密にはWEBサービスです。
キキクルは気象庁が提供しているWEBサイトで、土砂災害、浸水害、川の洪水の3つについて、市町村単位ではなく、土砂災害と浸水害は1km四方のメッシュ、洪水については川の長さ1キロ程度ごとに、その場所ごとの危険度をリアルタイムで教えてくれるサービスです。
使い方も簡単、地図が表示され、そこに危険度が色で表されます。この危険度は警戒レベルに対応していますので、赤ならレベル3・高齢者等避難相当、紫ならレベル4・避難指示相当、そして黒ならレベル5・緊急安全確保相当の危険度になっているということが、ピンポイントで分かります。
このキキクルを使うことで、自宅周辺の今の危険度を把握できますので、自治体から発表されている避難情報だけでは腰があがらないという場合に、自宅周辺の危険度を把握し、これは本当に危ないかもとなったら逃げる、そうした情報源として使えるWEBサービスです。
もちろん、キキクルで色が付いていないから安全ということを示す物ではありません。周囲の状況を自分でも確認し、危険が迫っているなら逃げるということは行っていただきたいのですが、とはいえ客観的な危険レベルを把握するのはなかなか困難です。せめてキキクルで避難指示相当の危険が表示されていて、自治体からも避難指示が出ており、かつその場にとどまると命が危ないという状況であれば、避難を実施する。そうした重い腰を上げるための道具としてもご活用ください。
なお、キキクルの正式名称は「危険度分布」といいますが、もっと多くの方に使ってもらおうという施策で、2021年に愛称を一般公募し、「キキクル」という通称名が着けられました。また土砂災害キキクルと洪水キキクルは、従来危険度を5キロ四方のメッシュで表示していましたが、実は今年2024年から1キロメッシュに変更され、従来よりも25倍も細かくなりました。
サービスの啓蒙と、機能の進化、両面でよくなっているキキクルをぜひご活用ください。もちろん登録は不要、無料で使えます。
本日も、ご安全に!
本日は「キキクル」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!