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Voicyそなえるらじお #885 日本は熱中症で騒ぎすぎ?もっと暑い国は?電気のない時代は?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #885 日本は熱中症で騒ぎすぎ?もっと暑い国は?電気のない時代は?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、7月9日(火)、本日も備えて参りましょう!

本日のテーマは「海外や昔の熱中症事情のお話です。

海外の熱中症事情

熱中症に関する話題が上がる際に言われることがあります。日本より暑い国、日本より湿度の高い国、日本より電気やエアコンのない国はたくさんあるはずなのに、なぜ日本だけ熱中症で大騒ぎするのか、すこし大げさではないのか、という疑問です。

結論から言えば、日本より暑く、湿度が高く、エアコンのない国でも、熱中症は大きな問題となっており、多くの人が死んでいます。海外の熱中症事情に関心を持つ方が少ないため、ニュースなどで報道されておらず、ただ知らないだけなのです。

例えば先日、2024年6月24日、中東のサウジアラビアの聖地メッカにおいて、気温が50度を超えるなかでイスラム教徒の巡礼行事が行われ、熱中症などにより1,300名が死亡する大惨事が生じました。日本よりも暑い地域ですから、巡礼者も暑さには慣れているはずではありますが、それでも異常な高温にさらされれば熱中症で多くの方が命を落とすことになります。

2024年5月30日、猛烈な熱波に襲われているインドでは、熱中症により少なくとも15名が死亡したと発表されています。また6月中旬までに、4万人以上が熱中症疑いとなり、110名以上が死亡しているとも発表されています。インド保健省からは、病院などへ早急な熱中症対応をするように指示が出ており、大きな問題となっています。

2024年5月24日、インドの西に位置するパキスタン、最大都市カラチにおいて、最高気温が49度まで上昇した地域などが発生し、全土の病院に熱中症患者が溢れかえっているとの報道がされています。政府当局からは、極力屋内にとどまること、水分を補給すること、不必要な移動を避けるように呼びかけがなされているとのことです。

など、海外の熱中症事情は調べれば調べるだけ出てきますが、日本以外の国においても多くの方が熱中症による被害にあい、死者も多発しているということがわかります。日本が熱中症で騒ぎすぎなのではなく、日本以外でも熱中症に対する被害が大きくなっているということなのです。

電気がない時代は

熱中症に関するもうひとつの疑問が、電気のない時代や、エアコンの普及していない国ではどうなっているのかということです。日本も昔から暑い日はありましたし、海外には電気やエアコンなどの普及率の低い国も多くあります。熱中症に対してはどうなっているのでしょうか。

例えば中東のイランは日本以上に暑い国です。この国では電気のない時代から、建物自体に冷房の仕組みを取り入れる建築が普及していました。大きな塔を建て、外気を誘導し、室内に取り入れる前に貯水槽などを通過させることで温度を下げる、このような工夫がなされていたということです。

また東南アジアの国々は日本以上に高温多湿ですが、こうした国では日本とことなり四季がなく、1年中暑い状態が続いていますので、身体が暑熱馴化…暑さに強い状態になっているほか、ライフスタイルそのものも暑さを回避する暮らしになっているようです。暑い時間は活動しない、熱中症の症状が出たらゆっくり休む、そうした暮らしが当たり前にすることで、暑さと共生しているということになります。

日本も、昔から暑い日はありました。しかし近年の暑さは度を過ぎています。例えば夏の最高気温が30度を超える夏日の日数は、ここ110年間で1.2倍に増加していますが、夏の最高気温が35度を超える猛暑日の日数はここ110年で3.8倍に激増しています。気温が35度を超えると、熱中症のリスクが極端に高くなり、屋外での活動が禁止される状況になりますが、そもそもそうした日数が激増しているのです。

また熱中症による死者も毎年発生していますが、2000年以前は年間200名前後、2010年頃までは年間数百名前後、そして2010年以降は熱中症による死者が年間1000名を超えるのが当たり前になるなど、特にこの10年ほど、気温が急激に増加し、それに対応出来ていない私たちがバタバタ死んでいるという状況になっています。

身体を暑さに慣れさせる暑熱馴化も熱中症対策としては有効で、毎日の生活の中における入浴、運動、家事や仕事で、汗ばむような状況を積極的に作ることで、暑さに強い身体を作ることは可能です。しかし、それでも気温が35度を超えるような状況になると、容易に人は死亡します。暑熱馴化でもどうにもならない暑さが、ここ数年の状況なのです。

まとめ

と言うことで今日のお話をまとめます。

まず、日本以上に高温または多湿の国においては、ライフスタイルが暑さに順応する形になっているため、暑さと共生する暮らしが行われています。しかし、近年の異常な暑さに対しては、ライフスタイルや暑さへの慣れだけでは対応できず、多くの国で熱中症による深刻な被害が相次いでいます。

夏の暑さは全世界で問題になっており、日本でも、日本以外でも、熱中症による死者は増加、従来の暮らしや暑熱馴化…暑さへの順応だけではどうにもならない状況になっています。ということで改めて、日中の暑い時間の活動はホドホドにして、熱中症に備えを行ってください。

本日も、ご安全に!

本日は「海外や昔の熱中症事情」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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