#916 断水対策でお風呂に水をためる…OK・NGの基準と考え方は?
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、8月23日(金)、本日も備えて参りましょう!
お風呂概論
本日のテーマは「断水対策とお風呂の水」のお話です。
今回はコメント欄にいただいたご質問への回答、質問をくださいましたのは「あいこ」さんです。
初めてコメントします。こちらのチャンネルのお陰で、他人事として考えてきた防災をこんなに楽しく学んだり、実行できるようになり本当に感謝しています。
素人の質問で申し訳ないのですが、
今までずっとお風呂のお湯はその日のうちに抜いていました。防災を意識するようになってからお風呂のお湯は残しておくようにしました。先日友人が「お湯はためっぱなしは防災にもダメなんだよ」と言われました。調べてみても、いまいち正確もなく…普段から防災としてお風呂のお湯をためっぱなしはNGですか?
浴槽は大きな水タンク
- 断水に備えてお風呂の浴槽にお湯や水を入れておくのはありかなしか、これは状況により変わります。
- 子どもやペットがいる…浴槽で溺れることがないかの確認と対策が必要。
- 溺れる対策が不要な場合は、基本的には浴槽に水やお湯を貯めるのは有効だが、使えない場合もあるので注意が必要、となります。
- 例えば台風や大雨で下水が増水→戸建てやマンションの1Fなどの場合、浸水の影響で下水が逆流するような状況になると、自宅のトイレなども使えなくなるため、浴槽の水やお湯をトイレや生活用水として使おうとしても、そもそも排水できない状況では使えないという問題が生じます。
- また浸水していない2F以上の階の場合も、地上が浸水する状況では排水した水が建物の低層階であふれる恐れがあるため、やはり排水が禁止される恐れがあり、ためた水を使えなくなる恐れがあります。
- また大地震などが発生した場合、建物の排水管が損傷すると、流した水が途中であふれる恐れがあるため、やはり貯めた水やお湯を使えなくなります。排水管の損傷は、建物のなかで生じることもありますが、多くの場合は敷地内にある排水ますと、外部の下水本管をつなぐところで生じるため、この場合は建物全てで排水ができなくなります。
- ということで、水を流すためには排水ができなければダメで、浸水や地震で排水ができなくなっている場合は、せっかく水やお湯があっても流せないから使えない、という恐れがあるため、よく確認することが必要です。もちろん突発的な断水など、排水管が問題のない状態での断水であれば、貯めた水やお湯は大変役立ちますので、ためておくことがNGではありませんし、どちらかと言えば役立つことの方が多いです。
本日も、ご安全に!
本日は「断水対策とお風呂の水」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!