Voicyそなえるらじお #903 防災備蓄も株式投資も一定ペースで淡々と行い暴落を想定内に!
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、8月6日(火)、本日も備えて参りましょう!
レバレッジはやめよう
本日のテーマは「防災と株式投資」のお話です。
昨日2024年8月5日、日経平均株価が大暴落しました。終値は前日比でマイナス4,451円と、過去最高の下落幅となりました。これまでの最高下落幅は、1987年10月20日のマイナス3,836円、いわゆる1987年のブラックマンデーによる世界的な大暴落によるものです。
ただ、ブラックマンデーが生じた1987年は、日本においてはバブルの絶頂期で、一時的に株価は下落しましたがすぐに盛り返し、2年後には史上最高額に到達しています。昨日生じた大暴落が今後どうなるのかは分かりませんが、30年前とは社会的な状況も大きく異なる昨今、いろいろと考えるべき点がありそうです。
ということで本日は、防災と株式投資のお話です。
NISAは長期積立
8月5日の株価大暴落を受け、新NISAを活用されていた方々から悲鳴が上がっているそうです。かくいう私自身の証券口座も、前日比でちょっとすごい金額のマイナスになっており、人ごとではありません。
ただ、重要なこととして、NISAを活用して積立などをされている方は、このタイミングで売りに走るようなことはせず、そっとパソコンやスマホの画面を閉じて、代わりにインターネットでかわいいシマエナガやライチョウやキーウィの画像を検索して一息ついていただきたいと思います。
NISAというのは個人の投資を促進させるために、2014年からスタートした制度で、株式や投資信託などを個人が購入して投資する際に、一定額まで利益が非課税になる制度です。将来の年金に対する不安や、定期預金をしても全く増えない昨今の低金利の状況を受けて、自分で将来のお金を確保したいというニーズに対する制度として作られました。
そしてこのNISAが、今年2024年1月に改正され、以前よりも多くの投資が行える様になったり、使いやすくなるなど改善されました。まさに国を挙げて貯金から投資への道筋をよくした所に、今回の株価大暴落が発生し、いろいろと悲鳴が上がっているということになります。
ただ、もともとNISAというものは、短期的な利益を得るための仕組みではなく、10年20年の単位で株式や投資信託を積み立てて、将来必要なお金をじっくり作る制度です。そのため、今回の様な株価の大暴落は当然発生する、織り込み済みのリスクであると言えますので、いちいち慌てる必要はありません。
ただ、NISAなどで取引をしている場合、仮に1億年に1度の暴落で株式がすべて紙くずになっても、投資したお金がゼロ円になるだけですみますが、株式の信用取引や、FXのレバレッジ取引など、自分のお金以上の投資をしている場合は、暴落や急激な為替相場の変動が生じると、預貯金がマイナスになることもありますので、自分のお金以上の投資は避けた方がよいかと思っています。
新NISA制度で2024年から投資を始めた方などは、おそらく利益がマイナスの金額になっているので、すごく悲しい気持ちになりますが、そもそも株価は暴落と上昇を繰り返すものです。長期積立の場合は10年20年単位で利益を得ていくものですので、いま株式や投資信託を売り払うのではなく、逆に安く買えてラッキーの気持ちで、一定額の積立を継続すべきと言えます。私自身もそのスタンスです。
防災も同じ
ところで、家庭の防災は投資に似ています。
大地震は予知をすることができず、いきなり発生して大きな被害をもたらします。台風や大雨は発生シーズンがある程度分かりますが、実際に被害をもたらすかどうかは生じてからでなければ判断出来ません。未来予知ができない限り、家庭の防災は「常に備える」としか言いようがないのです。
一方株式市場における大暴落も、突然発生するケースと、そろそろではと言われながら発生するケースの両方があります。そろそろではと言われるケースも、Xデイがいつなのかは実際に暴落が生じるまで分かりません。未来予知ができない限り、株式投資も「常に備える」ことしか対処が出来ません。
防災も投資も、Xデイを予知することはできませんので、家庭内で無理なく行える範囲において、常に備え続けるしか行えることはありません。防災において大きな備えであれば引越しや耐震リフォーム、さらに家具や家電の固定、防災リュックの準備、防災備蓄品の用意などになります。
しかしこれらの準備は、1日で終えられるものではなく、時間をかけて準備することが重要です。さらに防災に終わりはないため、それを一生続ける必要があります。無理をすると息切れする、無理のない範囲で防災に取り組む、これが長続きのポイントです。
これは株式投資も同じです。翌日の株価の予想はできても、ピタリと的中させることはできません。そうすると、定期的に一定額を積立続ける、いわゆるドルコスト平均法が長期的な投資においては最適解になります。株価の上下に関わりなく、毎月1万円を積立続ける。株価が暴落した場合はむしろたくさんかえるのでラッキー、10年後・20年後にはきっと増えている、そういう方法を取り、日々の株価は一切気にしないというスタンスがよいです。
防災備蓄なども、ローリングストック・コンテナストックともに、仕組みを準備したら、あとは毎月手間にならない範囲で入替を行うだけとなります。そこに余計な感情は不要で、仕組みの範囲内で淡々と入替をすることが重要です。そう考えると、防災、とくに防災備蓄と、NISAなどを活用した株式投資はよく似ていると言えます。
慌てず、毎月、無理のない範囲で淡々と行う、これが命をお金を守るポイントです。
本日も、ご安全に!
本日は「防災と株式投資」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!