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Voicyそなえるらじお #905 カセットガスボンベは室温40度の部屋に保管しても大丈夫?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #905 カセットガスボンベは室温40度の部屋に保管しても大丈夫?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、8月8日(木)、本日も備えて参りましょう!

火事の原因になるから火を使わない…訳にはいかない

本日のテーマは「カセットガスボンベ」のお話です。

防災備蓄で欠かせないアイテムに、非常用の備蓄トイレとカセットガスこんろがあります。カセットガスこんろに使用するカセットガスは、コンロだけでなくストーブや発電機などにも使用できるため、たくさん備蓄をしておくと平時にも非常時にも役立ちます。

しかし昨今の夏の暑さ、誰もいない部屋の温度が40度まで上昇することもあり得ます。カセットガスボンベは大丈夫なのでしょうか。ということで今回は、カセットガスボンベのお話です。

真夏の保管は

カセットガスボンベは、真夏に40度を超えるような部屋に保管しておいても大丈夫でしょうか。大丈夫です、室温が40度、あるいは45度程度まで上昇しても、破裂したり爆発したりすることはありません。普通の室内であれば、真夏でも真冬でも安心して保管してください。

一方、直射日光には注意が必要です。室内に保管してあっても、カセットガスボンベに直接直射日光が当たるような状況ですと、異常な高温になる恐れがあります。また冬場の場合は、ストーブの風が当たるような場所も避けるようにしてください。熱源のない場所で、箱や戸棚などにしまっておけば、まず大丈夫です。

また、自動車に詰む場合も、日の当たらないトランクや後部座席などに詰むならば問題ありません。JAFのテストでは、黒いボディの車を炎天下に放置した場合、室温が最大で55度まで上昇していますが、この温度でもカセットガスボンベはまだ大丈夫です。しかしダッシュボード上などは温度が70度を超えることがあり、ここまで温度が上がるとカセットガスボンベが破裂する恐れがあります。

やらないとは思いますが、ダッシュボード上にカセットガスボンベを並べて放置するようなことは絶対にしないでください。直射日光が当たらない場所であれば、真夏の炎天下でも自然に破裂する恐れは低いと言えます。

またカセットガスボンベの期限は、全メーカー共通で7年間ですが、缶が錆びてボロボロになると破裂の恐れが出てきます。日本は梅雨から夏の時期にかけて、室内の湿度が異常に高い状態が続きますが、その程度であれば大丈夫です。ただし、直接水がかかる場所、お風呂場の脱衣所など常に湿気にさらされるような場所は避けて保管してください。

まとめますと、真夏に室温が40度を超える、蒸し暑い室内でも、その程度であればカセットガスボンベが破裂することはありませんので、室内保管をする分には特に注意することはありません。自動車に積む場合も、直射日光が当たる場所やダッシュボードなどを避けて置いておけば大丈夫です。

火災対策は

カセットガスボンベを自宅に備蓄する際、もうひとつ怖いのは火災時の対応です。火災が発生した際に、すぐ屋外へ持ち出せるよう、玄関などで保管をする、これも正しい備蓄方法ではあります。が、そこまで気にしなくてもよいと思っています。

そもそも、カセットガスボンベが爆発する規模の火災が発生した場合、ボンベがあってもなくても相当な被害が発生します。また火災で爆発する恐れがあるものはカセットガスボンベだけではありません。

例えば、夏の害虫対策に必須の殺虫スプレー、夏の暑さやニオイ対策に必須の制汗スプレーや冷却スプレー、身だしなみに必要なヘアスプレー、その他、スプレーのペンキや、スプレーのオイルなど、とにかくスプレー缶の中にはカセットガスボンベと同じLPガスが詰まっており、これらはカセットガスと同じような扱いが必要になります。

また、昨今普及しているリチウムイオン電池も、火災発生時に爆発の要因になります。スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機、ハンディファン、デジタルカメラ、スティック掃除機、シェーバー、LEDライト、モバイルバッテリー、ポータブル電源、あらゆるものが危険物です。

自宅にカセットガスボンベが1本もなくても、その他のスプレー缶やリチウムイオン電池があれば、火災発生時に爆発する恐れがあります。カセットガスボンベの備蓄場所は把握していても、その他自宅に存在する全てのスプレーの場所、リチウムイオン電池を搭載している家電の場所を瞬時に思いだし、火災発生時に持ち出したり、消防士さんに伝えることは出来るでしょうか、おそらく無理です。

そのため、火災対策として、カセットガスボンベを屋外に出しやすい場所に保管することは理想ですが、危険の原因は他にもたくさんあるため、それだけではダメだということになります。火災が怖いからカセットガスの備蓄はしない、それは少し勿体無い考え方です。備蓄を避けるのではなく、ただしi保管や正しい使い方で、事故を起こさずに使用することを考えたほうが良いのではないか、と思います。

本日も、ご安全に!

本日は「カセットガスボンベ」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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