Voicyそなえるらじお #1017 油のついた衣類・タオルを乾燥機に入れると火災が生じます!
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月28日(火)、本日も備えて参りましょう!
大人の責任を果たす
本日は「衣類乾燥機と火災」のお話です。
本日1月28日は「衣類乾燥機の日」です。一般社団法人 日本電気工業会が1994年(平成6年)に制定した日本の記念日です。由来は語呂合わせ、「1月28日…128…衣類ふんわり」と読めること。また衣類乾燥機が活躍するのが冬場であることから、毎年1月28日が衣類乾燥機の日になっています。
便利な衣類乾燥機ですが、じつは火災を招く使い方があります。本日はこのお話。
衣類乾燥機と火災について
衣類乾燥機は、普通に使用している分にはいきなり燃え上がることはありません。一方、説明書などにも書かれているのですが、「油」を含む布を乾燥機に入れると、火災が生じる恐れがあり、注意が必要です。
パターンは2つあります。
①乾燥中の衣類が燃え、乾燥機ごと炎上するケース。
②乾燥を終えた洗濯物を積んでいたら、しばらくして出火するケース。
いずれも原因は、衣類やタオルなどに残っている油分が、乾燥による熱風で酸化し、発熱・発火することによるものです。油分は洗濯しても完全に取り除けず、衣類やタオルの中に残りますが、これを乾燥機にかけると火災につながる恐れがあります。
なぜ燃えるのか
注意が必要な油類は、油全般です。
・美容オイル(ボディオイル、エステ系のオイルなど)
・食用油
・機械油
・動物系油
・ドライクリーニング油
・ベンジン、シンナー
・ガソリン
・樹脂(セルロース系) など
これらの油が、衣類に染みこんだ状態。あるいはタオルなどで拭き取った状態で乾燥機に入れると、火災が生じることがあります。
これらの油は、空気に触れると酸化して熱を持つ性質があります。これを酸化反応と言いますが、酸化反応は高温になるほど反応が促進されるため、乾燥機を使うと急激に温度があがります。この状態が長時間続いたり、あるいは乾燥後に他のほかほかの洗濯物と一緒に積んでしまうと、熱が逃げなくなり、温度が400~500℃に達すると、布の発火点を超えて出火、火災にいたることがあります。
乾燥機を使わずに、油がついた洗濯物を普通に洗濯した後、天日干し・陰干しなどの自然乾燥をする分には、油が過熱しても熱が周囲に逃げますので特に問題ありません。乾燥機で高温にし、その状態が維持されることで火災につながる恐れがああります。
類似例
クッキングペーパーに天ぷら油を染みこませて、密封したゴミ袋やゴミ箱にいれて放置・廃棄した際に、同じ原理で火災に繋がることもあるようです。
予防対策
- 油が付着した衣類やタオルは、乾燥機を使わずに自然乾燥させる
- 油の付着した布や紙類を捨てる場合は、水を十分染みこませて燃えるゴミに出す
本日も、ご安全に!
本日は「衣類乾燥機と火災」のお話でした。
それでは皆様、次回の放送まで、どうぞご安全に!