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Voicyそなえるらじお #1002 ローリングストックは便利だが万能ではない…専用備蓄の併用を

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #1002 ローリングストックは便利だが万能ではない…専用備蓄の併用を

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月7日(火)、本日も備えて参りましょう!

ローリングストック

本日のテーマは「食料備蓄」のお話です。

防災備蓄を行う際の方法として、よく紹介されるのが日常備蓄のひとつ、ローリングストック法です。普段から食べたり飲んだり使ったりするものを少し多めに購入し、期限の近いものから消費し、全て無くなる前に補充するという備蓄方法です。

メリットとしては、どうせ使うものを先に買うだけなので、無駄なお金がかからないこと。生活の中で消費と補充をするため、期限管理の手間がかからないことなどが上げられます。利点の多い備蓄方法であるため、家庭で備蓄をする際の手段としてよく紹介されています。

しかし、このローリングストック法は、便利な備蓄方法ではありますが、万能ではありません。ということで今回はローリングストックのお話。

ローリングストックのデメリット

ローリングストックのデメリットはなんでしょうか。それは、面倒くさいことです。

ローリングストックでは、災害時だけでなく、普段から備蓄品を消費して補充して入れ替えを行うことで、期限管理の手間が省けると言われます。確かにその通りですが、逆に言えば普段から備蓄品の消費と補充をし続けなければならない、という言い方にもなります。

例えば誰かが食べると思って多めに買った食品、誰も食べずに賞味期限をむかえてしまったという状況が生じがちですが、期限切れの食べ物をどうするかという問題が生じます。入れ替えのために無理矢理食べるのか、あるいは捨てるのか、捨ててしまう場合はもちろんお金が無駄になります。

ローリングストック法の、お金がかからず手間もかからないというメリットは、ただしローリングが継続している状況に限る、という注釈がつくのです。ということで、マメに管理できる人にとってはお得で便利なローリングストックですが、入れ替えが面倒だなと感じる人にとっては、ローリングストックはあまりオススメできる方法ではありません。

専用備蓄を併用する

では、ローリングストックのローリングを止める恐れがあるな、と思われる人はどのように備蓄をすればよいのでしょうか。それが専用備蓄です。

専用備蓄は、ようするに災害時専用の備蓄品を購入し、賞味期限が来たら入れ替えるという、ごく普通の備蓄方法です。備蓄食などの賞味期限は最近長くなっており、短くても5年、長い物は7年から10年ほどの保存期間があります。こうした食べ物を三日分なり1週間分なり購入し、何かあれば本番で食べる。何もなければ5年・7年・10年後に入れ替えを行います。

専用備蓄のメリットは管理が楽なことです。備蓄品の入れ替えは5年から10年に1度でよくなります。また賞味期限の長い食べ物は、多少の賞味期限超過は全く問題ありませんので、賞味期限切れを起こしてしまっても、実際にはあまり問題になりません。賞味期限切れちょうどのタイミングで入れ替えをしなくても、数年以内に入れ替えができれば大丈夫です。

一方専用備蓄のデメリットは、お金がかかることです。ローリングストックでは、どうせ食べたり使ったりするものを買いますので、本番がこなくても無駄にはなりません。しかし専用備蓄では、本番専用でものを買いますので、本番がこなければよい意味で無駄になります。もちろん、入れ替えをする備蓄食をランチや夕飯にすれば、その日の食費は浮きますが、賞味期限が長い分割高となりますので、全て食べるにしてもお金はかかります。

備蓄方法は併用する

ということで、ローリングストック法は便利ですが万能ではなく、専用備蓄と併用して使い分けるのがオススメというお話でした。

毎日食べる主食類や、家族の誰かが必ず消費する、放っておいても消費されるものはローリングストックが向いています。一方、消費する頻度が低いものは、使わなかった際に無駄になる恐れがあるため、専用備蓄を交えるのがオススメです。どちらだけというよりは、どちらも併用して備蓄をするとよいでしょう。

本日も、ご安全に!

本日は「食料備蓄」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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