Voicyそなえるらじお #1202 スーパーで買い物中の大地震では「カゴをかぶる」は正解か?
最終更新日:
執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、11月6日(木)、本日も備えて参りましょう!
机上の空論なのか?
本日は「買い物カゴ」のお話をしたいと思います。
スーパーマーケットでの防災
スーパーやコンビニで買い物中、緊急地震速報が鳴り響いたり、地震の揺れを感じたらどうしますか?様々なアドバイスを見ていると「買い物カゴをかぶって頭を守る」というものをよく見かけます。これが有効なのかどうかは、状況によります。
- まだカゴに商品を入れていない→かぶれる可能性あり
- 緊急地震速報が鳴ったら、揺れる前に自分だけカゴをかぶれますか?
- 地震の揺れを感じたら…どのくらい揺れたらカゴをかぶりますか?
- など躊躇している間に、何もできないような強い揺れに見舞われます。カゴをかぶる方針で行くなら、様子見はせず、即座に実行する強い意志が必要です。
一方…
- カゴに商品が入っている場合→中身を床にぶちまけてカゴをかぶれますか?
- 大地震ならしょうがない、中身を捨ててカゴをかぶるべき
- 揺れが小さかったら?緊急地震速報が遠方を示していたら?どうしますか?中身をぶちまけてダメにした後、地震がたいしたこと無かったらどうしますか?
- と考えると、現実的には無理だと思います。私ならかぶりません。
他にも
- 強い揺れが来るなら中身をぶちまければいい。→揺れが強くなったタイミングでは、もうできることはないです。揺れが弱いor緊急地震速報の段階でもうスタンバイしていなければ行動できません。
- 中身をぶちまけるのではなく、丁寧に床においてからかぶればいい。→そんな暇はない。
- 入り口近くにカゴを取りに行けばいい。→そんな暇はない。
などを考えると、全体的に机上の空論に近いアドバイスと言えます。もちろん状況によっては有効ですので、中身が空のカゴが目の前にあったら、かぶることに問題はありません。
店舗側の責任として
店舗側の防災・BCPとしては、お客様にカゴをかぶらせる準備…をするのは最後の手段です。まずは、全ての棚や什器を固定して、少なくとも商品落下以外の被害はゼロにする準備が大前提。その上のプラスαとして、カゴかぶりも検討しましょう。
間違っても、カゴがあれば安全だから棚の固定なんていらない。ということにはなりません。また、棚を固定しても、カゴをかぶっても、建物が倒壊したら全員死にますので、まずはつぶれない建物であるかを確認することが重要です。
本日も、ご安全に!
本日は「買い物カゴ」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!