Voicyそなえるらじお #1110 第三次世界大戦…が怖い、備えたい、どうしたらいい?というお話
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月23日(月)、本日も備えて参りましょう!
第三次世界大戦
本日の放送は「戦争」についてお話をします。
日本時間で、2025年6月22日の午前、アメリカ軍がイラン国内にある3箇所の核施設を空爆したという報道発表がなされました。この作戦には、アメリカ空軍のB-2ステルス爆撃機が用いられ、バンカーバスターと呼ばれる地中深くの施設を破壊する大型の爆弾が使用されてのことと伝えられています。
一方、2022年以来継続している、ロシアによるウクライナ侵攻もいまだ解決の目処がたっていない状況です。こうした世界最大の核兵器保有国、アメリカとロシアがそれぞれ紛争の当事者になる状況を受けて、大規模な戦争に発展するのでは、これは第三次世界大戦の始まりなのでは、といった声がSNS等で見受けられます。
第三次世界大戦
もっとも、第三次世界大戦という言葉は、世界のどこかでテロや紛争が生じるたびに使われている言葉ですので、今後の状況がどう推移するか、現時点では誰にも分かりません。例えば過去においても、第三次世界大戦か!という出来事はたくさんありました。例えば、
- 1948年にソ連がドイツの西ベルリンへのアクセスを封鎖したベルリン封鎖
- 1950年に北朝鮮が韓国に侵攻して開始された米ソ代理の朝鮮戦争
- 1955年から20年継続した冷戦下の代理戦争、ベトナム戦争
- 1962年にソ連がキューバに核ミサイル基地を建設しようとして生じたキューバ危機
- 1979年に生じたソ連によるアフガニスタン侵攻
- 1990年にイラクによるクウェート侵攻を多国籍軍が排除した湾岸戦争
- 2001年にアメリカで生じた同時多発テロ
- 2022年から継続しているロシアによるウクライナ侵攻
など、いずれも第三次世界大戦の引き金になり得る状況が多数生じていました。とりわけ1962年に生じキューバ危機は、ソ連と米国の全面核戦争寸前で回避されたという出来事でもありました。が、幸いこれまでのところ、世界大戦に発展したことはありません。
仮に第三次世界大戦なるものが生じたとしても、それが第三次世界大戦だったと分かるのは戦争の終結後です。直近におけるイラン・イスラエル紛争がどう進行するのか、現時点では誰にも把握できません。ただ、不安だということは分かりますし、なにより私自身もビビりチラしております。ということで今回は「第三次世界大戦」への不安と備えのお話。
戦争は生じるのか
まず第三次世界大戦なるものが生じるのかどうか、これは分かりません。すでに生じているという声も見聞きしますが、最終的には全ての問題が解決した後、未来が過去の出来事を決める際に、第三次世界大戦という定義がされることになります。大地震や水害と同じレベルで、私達個人が、大規模紛争を察知することは困難なのです。
いつ生じるか分からない災害に対しては、常に備えるしかありません。直近において、なんとなく戦争が不安だから、何かをしたい、と考える方もいるかもしれませんが、そのXデイがいつ生じるか、どのような事態になるかは分かりませんので、今この瞬間に特別な対策を行うことはできません。わが家の防災を見直し、中長期的な備えについて検討することが今できる唯一の対策となります。
戦争への備え
では何をすべきか、基本は最低限の備蓄品を確保することです。第三次世界大戦なるものが生じた場合、まず影響を受けるのは海外からの輸入がとまることによる、食料やエネルギー不足です。戦争に関するニュース報道が強くなるに従い、おそらく大規模な買い占めが発生しますが、一方で生産力は低下していきますので、ものが満足に入手できなくなる状況が想定されます。
ただ、こうした事態に対して、買いだめで対応することはおすすめできません。未来の状況を正確に予知できるならば、必要なタイミングで必要なものを買いだめすることは有効ですが、戦争にせよ、あるいは大地震や水害、超巨大噴火、感染症パンデミックなど、物資がなくなるタイプの事態を想定することは不可能です。いつ生じるか分からない事態に対しては、過剰な買いだめを行うことはできません。
そのため、いつ生じるか分からないが、食料や生活用品が不足する状況に対しては、日頃からの備蓄を行うことが重要です。防災専用にしない日常備蓄、大量に使うものはローリングストックで、少量多品目な備蓄品はコンテナストックで、日頃から一定量の備蓄品を持ち続ける生活を当たり前にすることが重要です。
私達生活者のレベルにおいては、巨大地震も、巨大噴火も、感染症パンデミックも、そして第三次世界大戦も、いつか生じるかもしれないが、それがいつ生じるかは分かりません。常に備える、備蓄品をライフスタイルとして確保する、これを楽しく行い続けることが必要です。
引越しという手段
ちなみに、私自身においても、備蓄品の確保は日頃から行っておりますが、もうひとつ実践したことが引越しです。大規模災害、あるいは戦争、ともに大都市圏はリスクが高い場所になります。そのため私自身は、2009年に生じた前々回のパンデミック終息後に、首都圏から静岡県三島市へ移住といいますか、Uターン移転をしました。
日本が直接武力攻撃を受ける状況になった場合、やはり直接的に狙われるのは軍事施設や政府施設の多い都市部です。自衛隊の基地などがない地方都市に、いきなりミサイルが降り注ぐリスクは都市部よりも低いと思われます。
また防災の範疇を超えますが、サバイバル的な生活を余儀なくされる場合においても、飲料水の確保や食料品の確保などは、人が少なく土地のある地方都市の方が、都市部よりは行いやすいというメリットもあります。
リモートワークができる業種の場合、あるいはお仕事をリタイアされて好きな場所などに住める場合は、引越しという選択肢も現実的になります。もちろん、だれもが気軽に行える方法ではありませんが、防災の抜本対策のひとつとして、地方都市へ引越しを行うことは有効です。
本日も、ご安全に!
本日は「戦争」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!