ペットボトルのフタの容量は実用7ml・安全5ml
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執筆者:高荷智也
ペットボトルのフタは共通規格であるため、液体の計測に使うことができます。ギリギリまで注いで7ml、スクリュー線の上ラインで5mlが目安です。

ペットボトルのフタで消毒薬を計量する場合の容量は?
国産のペットボトルの蓋は、500mlや2Lなどの容量にかかわらず、メーカー間の任意規格で大きさが定まっているため大きさが同じです。そのため、液体を量るための計量カップとして代用することができます。
手で持てるギリギリまで注いだ場合は、おおよそ「7ml」
表面張力(ひょうめんちょうりょく)の限界に挑まず、手に持ったペットボトルのフタに対して、こぼれないギリギリまで液体を注ぐと、おおよそ「7ミリリットル」入れることができます。
表面張力の限界に挑む場合は、7.5~8ml程度まで入れることができます。ただし、動かした瞬間にこぼれますので、消毒薬を作るために次亜塩素酸ナトリウムなどを計量するのには適しません。
一方、調理用ボウルの上にペットボトルのフタを構え、調味料を注いですかさずボウルへ入れる、といった場合であれば有効です。大さじは15cc、ペットボトルのフタはギリギリまで入れると7.5~8ccですから、フタ2杯分が大さじ1杯相当になります。
安全に持てる量(スクリューの最上段)まで注いだ場合は、おおよそ「5ml」
ペットボトルによって多少形状が異なりますが、内側にはフタを閉めるためのスクリュー線が刻まれています。この一番上のラインまで液体を注ぐと、おおよそ「5ミリリットル」入れることができます。
この量であれば、ある程度傾けて動かしてもすぐにはこぼれませんので、例えば次亜塩素酸ナトリウムの原液(ハイターやブリーチなど)を希釈して、ノロウイルスや新型コロナウイルスなどの「モノ用」消毒薬を作る際の計量カップとして使えます。
※殺菌消毒についてはこちら『衛生管理(殺菌消毒・除菌消臭)グッズ』
ペットボトルの蓋の液体容量計量実験について
結論は以上ですので、以下は興味がある方だけご覧ください。計量をした様子をまとめています。
キッチンスケールとペットボトルのフタを準備
用意したペットボトルの蓋は以下の通りです。
- 緑色…500mlのお茶のペットボトル(十六茶)
- 黄土色…500mlの特保のサイダーのペットボトル(三ツ矢サイダー)
- 白色…2Lのペットボトル水(ノンブランド・国産)
- 水色…500mlのエビアン(水)のボトル
キッチンスケールはTANITA製で、0.1g単位で計量ができ、液体計量モードが付いている商品です。ラバーは取り外して洗えるので、お料理に最適…とか。
肉を食べたい
また完全に余談ですが、計量に水を使うと透明でよく分からなくなるため、黒烏龍茶を使いました。「いきなり!ステーキ」で購入できるウーロン茶です。最近業績が危ないという報道が続いておりますが、いつも美味しくいただいております…。
実験に失敗するとやり直しになるのでご注意
さらに余談ですが、計量中に何度かお茶をこぼすなど失敗しました。このくらいの量の液体でも3mlと、誤差ではすまない量になりますので、なにごとも丁寧な作業が必須です。
計測1:手に持てるギリギリの量まで液体を注いだ場合
まずは、表面張力の限界に挑まず、しかし手に持てるギリギリの量まで液体を注いだ場合の容量を測定します。
緑色…500mlのお茶のペットボトル:6.9ml
お茶のペットボトルのフタの容量は「6.9cc」でした。
お茶を注いで写真を撮ったら、メモリをゼロに戻して次のフタに液体を注ぎます。これを最後まで繰り返していきます。
黄土色…500mlの特保のサイダーのペットボトル:6.9ml
特保のサイダーのペットボトルのフタの容量も、「6.9cc」でした。
白色…2Lのペットボトル水:7.2ml
2Lの大きなペットボトル水のフタの容量は「7.2cc」でした。2Lサイズだからフタも大きいのか?という訳ではなく、ほとんど誤差の範囲と思われます。前の2つのフタよりも、気持ち(数滴)多めに入った感じです。
水色…500mlのエビアン(水)のボトル:7.1ml
500mlのエビアンのフタの容量は「7.1cc」でした。エビアンはフランス産であるためか、日本のペットボトルの蓋と互換性がなく、他のボトルには付けることができませんでした。が、大きさはほとんど同じでした(他の外国産のボトルはまた違うかもしれません)。
計測2:内側のスクリュー線の一番上まで液体を注いだ場合
次に、安全に動かせる量として、フタの内側に刻まれているスクリュー線の、最上段まで液体を注いだ場合の容量を測定します。
緑色…500mlのお茶のペットボトル:5.1ml
お茶のペットボトルのフタの容量は「5.1cc」でした。
黄土色…500mlの特保のサイダーのペットボトル:5.3ml
特保のサイダーのペットボトルのフタの容量は、「5.3cc」でした。スクリュー線の形状は若干異なりますが、おおよそ量は同じくらいになります。
白色…2Lのペットボトル水:4.8ml
2Lの大きなペットボトル水のフタの容量は「4.8cc」でした。ギリギリまで注いだ場合は気持ち多めになりましたが、今回はわずかに少なくなりました、誤差範囲と思われます。
水色…500mlのエビアン(水)のボトル:5.2ml
500mlのエビアンのフタの容量は「5.2cc」でした。エビアンのボトルの蓋を、国産ペットボトルに付けることはできませんが、スクリュー線の位置はおおむね同じようです。
ペットボトルの蓋による液体計量の使いどころ
消毒薬の作成に(次亜塩素酸ナトリウム)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックでは、消毒用アルコールなどの不足で、次亜塩素酸ナトリウムの希釈水による「モノの消毒」が推奨されています。
モノの消毒に適した「濃度」は、0.05%(500ppm)で、ハイターやブリーチなどの原液の濃度は、おおよそ5%(50,000ppm)であるため、100倍に希釈します。
500mlのペットボトルがあれば、水をいっぱいまで入れて、これに「ペットボトルの蓋の内側のスクリュー線最上段」まで原液(5ml)を入れ、2杯分ボトルに入れればOKです。
※なお…次亜塩素酸ナトリウムは強いアルカリ性で皮膚を溶かしたりしますので、薄めたとしても手指の消毒などには使えません。コロナ肺炎以前に死んでしまいます。
次亜塩素酸水の希釈はどうだろうか
人体に使える消毒剤の代用品としては、「次亜塩素酸水」が使われています。しかし流通している次亜塩素酸水の濃度は高いモノでも400ppm程度と低いため、希釈する場合もペットボトルの蓋では追いつきません。
人体に悪影響はありませんので、目分量で「だいたい半分に希釈」「おおよそ4分の1に希釈」という方法で構わないでしょう。
料理には使いやすい
前述の通り、計量スプーンの小さじがが5ml、大さじが15mlです。キッチンにボウルを置き、その上でペットボトルのフタを持って、
- スクリュー線の一番上まで注げば小さじ一杯分
- 表面張力ギリギリまで注げば、大さじ0.5杯分
となります、これはそれなりに便利な知識かもしれません。
ウイスキーやカクテルにも使えるぞ
ウイスキーのシングルは30ml、ダブルは60mlです。お酒用の計量カップ(ジガーカップ)がない場合、ペットボトルのフタがあれば解決ですね(見た目はともかく…)。
またはハイボールを作りたい場合は、炭酸水のペットボトルのフタにウイスキーを入れて、表面張力ギリギリまで注げば、4杯でシングル相当(30cc)の計量ができます。
なお、個人的にはあまりスモーキーなものよりも、カナディアンウイスキーやジャパニーズウイスキーが好みです…。