リュックとゴミ袋で、背負える水タンクの作り方
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執筆者:高荷智也
防災備蓄品の中でも特に水は重たいため、災害時に給水を受けた場合は持ち帰る手段を事前に考えておく必要があります。キャリーカートは便利ですが段差や階段を超えられないため、リュックサック式の水タンクを手作りして使う方法があります。

悪路に強い!「リュック式水タンク」の材料と道具
- 材料
- リュック1つ
- ポリ袋2枚(30~45リットル程度)
- 道具
- 特になし

写真1:リュック式水タンクの材料
リュックに袋を詰め込んだら完成、制作時間10秒
1)リュックに袋を入れます
作り方もなにもあったものではありませんが、リュックの内側にビニール袋を入れたら完成です。鋭利物に大変弱いため、事前にリュックの中を空にして、とがった物などが入っていないか確認しましょう。袋を2~3重にしておくと安心です。一番内側のポリ袋さえ清潔なら、外側は使い古したゴミ袋でも構いません(気持ち的にはアレですが)。
写真2:リュックへ2~3重にかぶせた袋を入れる
2)袋に水を入れます
給水ステーションや給水車から、袋の中へ直接水を入れてもらいます。柔らかいリュックを使っている場合は自立しませんので、必ず手で押さえながら水をもらいます。手を離すとぺちゃんこになって水がこぼれてしまいます。入れすぎると背負えなくなるので、両手で持ち上げられる重さが目安です。

写真3:袋の中に水を入れる
3)袋の口をしばります
水を入れたら袋の口をしばります。水を入れすぎると口がしばれなくなる他、重すぎて持ち上がらないという、「昔話の悪いおじいさん」のような結末になるため、ほどほどにしておきましょう。口をしばる際は、全てまとめてではなく個別にしばった方が、万が一の水漏れを防ぎやすくなります。(まとめてしばった場合、全てがいちどにほどけると大惨事になるので。)

写真4:袋の口をしばる
5)リュックのフタを閉じたら完了です
最後にリュックの蓋を閉じます。チャック式の場合は、チャックで袋を挟んで破かないように注意してください。またこの状態、ものすごく「たぷたぷ」です。ハリやトゲが刺さろう物なら一瞬で穴が空きます。袋の周りをグルリとバスタオルなどでくるんでおくと、水漏れ対策にもなって一石二鳥です。
写真5:リュックの蓋を閉じたら背負える水タンクの完成
リュックを背負って持ち帰ります、階段があっても楽々・安全
この写真の水量は約「30リットル」です
写真のリュックの重量を量ったところ、34.4kgでした。リュックの重さを差し引いても30リットル以上の水が入っていることになります。2リットルのペットボトル換算で15本以上、これを手で運ぶのはなかなか難しいですが、背負ってしまえば簡単です。

写真6:約30リットルの水が入った背負える水タンク
落とすと大惨事を招きかねないので、しゃがんでゆっくり背負う
水30リットルだけを入れたリュックを背負うとこのようになります(30代女性)。津波や土砂災害から走って逃げる状況では厳しい重さですが、ゆっくり歩いて移動するなら持ち上がる重さです。子供や高齢者には少々厳しい重さになりますので、量の調整は必要です。キャリーカートなどが通れない階段や、マンションの上層階へ水を運ぶ場合に有効な方法です。

写真7:30リットルの水をリュックに入れて背負った状態
なお、写真のリュックは補強材などが入っていない柔らかいものですので、地面に置くと自立しません(「ぷるぷる、ぼくわるいスラ○ムじゃないよう」状態)。持ち帰ったら、ダンボールやバケツなどにリュックごと入れるなどしないと、ひっくり返ってしまいますので注意してください(口をしばっているのでこぼれることはありませんが)。