台風・大雨の直前対策のポイント
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執筆者:高荷智也
まずはハザードマップを確認
YouTube:そなえるTV『水害ハザードマップの探し方・使い方・落とし穴!』
- 自宅(厳密には寝室)が床上浸水しないか
- 自宅が「家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流・河岸浸食)」にないか
- 自宅が「土砂災害警戒区域・特別警戒区域」にないか
いずれも「なし」であれば、浸水・土砂災害の被害はおおむね無視できます。ただし、暴風とライフライン被害はどこで生じますので、防災備蓄などは必要です。
※なお、ハザードマップは「危険な場所」を知る地図であり、「安全な場所」を知る地図ではないため、かならず自宅周辺の状況を目で見てチェック&浸水実績があるならば避難の準備はする必要があります。
沈む・崩れる・倒壊する地域である場合は…
1)避難の準備
- 「避難場所」を確認
- 「避難場所」までの移動ルートを確認
- 「避難場所」まで移動する際に必要な荷物を準備(いわゆる防災リュック)
YouTube:そなえるTV『非常持出袋パーフェクトガイド!防災リュックの作り方』
「命を守る」ために移動する先は、「避難所(指定避難所)」ではなく「避難場所(指定緊急避難場所)」となります。
避難所は生活をする場所ですので、最寄りの学校などが多いですが、避難場所は命を守るために逃げ込む場所となるため、低地にある学校などは指定されません。その「避難先」が避難場所・避難所どちらであるのか、必ずハザードマップで確認しておきましょう。
2)家財を守る
- 自動車やバイクなどの車両を高い場所へ移動させる
- 家電やその他沈んで欲しくない物は高い場所に移動
- 洗濯機を屋外に設置している場合は、中に水を入れて重くしておき、さらに蓋をガムテープやロープで固定しておきましょう。水を入れたポリ袋を複数洗濯機の中に入れておくと、断水時の飲料水や生活用水としても使えます。
※ただ、台風のたびにこれをやり続けるのは大変です、引越しを検討することも必要です。
3)床上浸水はしないが、周囲が低い場合などは…
- 排水溝の逆流などに注意
- トイレ・風呂場・キッチンの排水溝などに「水嚢」を設置する
- トイレに水のうを設置する場合は、トイレが使えなくなるため、非常用トイレも準備しておく。
※水嚢→大きなゴミ袋を2~3枚重ねて水を入れてしばる(スライムみたいになりますね、ぷるぷる)、これを排水溝の上にドンとおいて置くと、逆流をある程度防げます。
家の周りの排水口を掃除するとか、雨どいを掃除するというのは?
ベランダの水没を防ぐとか、屋根から水をスムーズに落とすという意味では重要ですが、周囲全体が水没するような洪水などが発生した場合は、雨どいの掃除をしていてもいなくても余り関係ありませんので、やった方がよいですが、やらなくても致命的な影響はありません。
暴風対策(窓ガラス対策)
YouTube:そなえるTV『窓ガラスの暴風対策、台風前に準備したいこと』
1)自宅の屋外を片付ける
- 庭・玄関・駐車場・ベランダ・屋上…などに置いてある
- 荷物・ガーデニング用品・自転車・子どものおもちゃ・物干し竿・洗濯用品・犬小屋・ペット用品…など
2)雨戸やシャッターの戸締まり確認
- 毎晩閉めていれば問題なし
- 網戸が外れている場合は吹き飛ぶ可能性があるため、外して室内にしまうか、テープや紐でガチガチに固定を。
3)間に合えば…
- 飛散防止フィルムを貼る、地震対策にも有効、割れは防げないが飛散が防げる。
- ※網入りガラスや、複層ガラスなどは、熱割れを招く可能性が高まるため、フィルムは貼らないか、対応したフィルムを貼るか、いずれにしても自宅を建ててくれた工務店やメーカーに確認をした方がよいです。
- また中長期的には、「防災安全合わせガラス」と呼ばれる、ガラスの間に樹脂層が含まれている、割れにくく・割れても飛び散らないガラスに変えるのもよいです。
窓ガラスに養生テープを貼るのは?
基本的に効果はありませんし、どうしても効果を得たい場合は、窓全面に貼り付けるなどしなければ効果はほとんどありません。台風のたびにテープを貼って剥がして、をするなら飛散防止フィルムを貼りましょう。
ライフライン対策
停電に備えて…
- LEDライト+3日分程度の乾電池を家族の人数分準備
※ガチ対策するならば、「作業用の明るい手持ち懐中電灯を1本」「室内用のランタンを家族人数分(100均のでもOK)」準備し、避難が必要な場合はリュックに「避難用の防水ヘッドライトを家族人数分」を入れておくとよいでしょう。 - スマホ・モバイルバッテリーなどをフル充電、乾電池スマホ充電器も欲しい
- 長期停電に備えてラジオも準備
※なお、各種の器具に使う乾電池は、全て単三などで統一すると使いやすい - カセットコンロ&ガスを準備、ガスの予備があるかを確認しておくこと
※カセットガスは1本で60分程度燃焼します
停電(冷蔵庫対策)
- 台風の2~3日前から、冷凍庫を満タンにしておく
※冷凍庫・冷蔵庫とも、中身が詰まっているほど停電時に長期間冷気をキープできます。冷凍庫に隙間があれば、水を入れたペットボトルなどを詰め込んで凍らせておきましょう。なお満タンのボトルを入れると膨張して破裂しますので、内容量は8~9割にとどめてください。 - 冷蔵庫・冷凍庫の強さを「強」にしておく
※内容物が冷えているほど、やはり長時間冷気をキープしますので、冷気の強さは「強」にしておきましょう。
YouTube:そなえるTV『「冷蔵庫・冷凍庫」停電したら何時間もつの?』
断水に備えて
- 飲料水を買っておく(地震対策の一環として日頃から日常備蓄を)
- 台風当日はお風呂のお湯を捨てずに取っておく(トイレ用)
- 台風の接近が夜間なら、早めにお風呂などを済ませておく
- 地震対策も兼ねて、非常用トイレを準備しておく
- ※停電すると多くの場合は給湯器が使えなくなるため、お湯の確保も検討
その他備蓄の確認
- 車のガソリンは前日までに満タンに、車両は何にでも使えます
- 日頃から食料品などは日常備蓄で準備する
- 各種の日用品・消耗品も同様
- 赤ちゃん、介護者、ペットがいる場合は必要な消耗品の在庫を切らさないように