生活用水の備蓄
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執筆者:高荷智也
生活用水の備蓄は、必要な量が多いことから、そのすべての量を備蓄しておくことは難しくあります。「水」の代わりとなるモノを用意することで、準備を行いましょう。
生活に必要な水の量は、1日300リットル
普段私たちは、きわめて多量な水を使用することで生活を成り立たせています。1人あたりの平均使用量は、1日に300リットルにも及びます。もっとも多いのがトイレ用の水で、風呂、炊事、洗濯、洗面と続いていきます。
飲料水として必要な水は、1日あたり1.5~2リットル程度ですから、生活に必要な水の量はその150~200倍にも上ります。この膨大な量の水を、すべて供えておくことはあまり現実的ではありません。
また飲料水以外の水は、すべて流さなければなりません。しかし危機・災害時には、必ずしも配水施設、下水道などが正常に使えるとは限りません。「水」だけでなく、それを処理するための備えまでを考えると、飲料水とは異なった準備が必要になります。
生活用水をどのように備蓄するか
生活用水は、必ずしも飲料水ほど綺麗である必要はありません。特にトイレや洗濯に使う水のように、体に直接触れない水についてはなおさらです。そのため、飲料水よりは備蓄する水のコストを抑えることが可能となります。
よくとられる方法としては、まず風呂を利用します。風呂の残り湯をすぐに捨てずにおけば、それだけで100リットル以上の水を備蓄することが可能です。しかし、これをまともにトイレや洗濯に使用してしまっては、1日と持ちません。
また、電気温水器やエコキュート、太陽熱温水器などを利用している場合には、タンクのお湯が非常用水として利用できます。しかしその量は数十リットル程度であり、絶対的な量はそれなりですが、かなりの節約を強いられることになります。
生活用水の備蓄には、「水」ではなく「代替品」を用意する
そこで、生活用水の備蓄には代替品を多く取り入れることを考えます。生活用水の中で最も多く消費されるのはトイレ用の水ですが、携帯トイレ、仮設トイレが用意できれば、その分の水を備蓄したことと同じとなります。
また、ウェットティッシュや水のいらないシャンプーなどを用意しておくことで、風呂用の水が不要となり、やはりその分の水を備蓄したことと同じ効果が得られますし、紙皿やラップがあれば炊事用の水が節約できます。
このように代替品を多く取り入れることで、必要な水の量を最小限にすれば、生活用水の備蓄も可能となります。賞味期限切れを覚悟で安いミネラルウォーターをしまい込むか、空のペットボトルを洗って、水道水を詰めておく、などでもある程度はかまいません。