富士山噴火と東海大地震
あなたの生命と家族、財産を守るために
日本一の富士の山、が噴火をするとその被害も日本一!?地震対策と併せて噴火対策を!
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概要・あらすじ
「富士山の噴火」と「東海地震」にフォーカスを当て、噴火や地震の仕組み、その被害、また事前の対策、発生時の行動などについてまとめられているのが本書です。
前半では、国内各地で発生してきた噴火や地震についての具体的な事例を挙げた解説、富士山噴火と東海地震の連動発生に関する考察がまとめられ、後半では、実際に予測される被害、災害前と後の行政の対応、現在進んでいる国の対策、また個人や家庭がとれる事前対策や、災害発生時、発生後に必要となる知識がまとめられています。
感想・思ったこと
富士山が噴火をした際に予測される被害などが細かくかかれている点がよいと思います。地震を取り扱った書籍は多くありますが、火山の噴火について言及している書籍はそれほど多くありません。特に富士山の噴火が与える影響は、他の火山と比較にならないほど広範囲に深厚な影響をもたらすため、この部分だけを読んでも十分価値があります。
噴火や地震が発生した後の対応、また備えについても触れている点はよいのですが、どうしても内容が地震対策に傾斜しがちで、その点はやや残念な点といえます。もっとも本書のテーマが「噴火と地震」であるので、コンセプトとしては間違っていませんが、せっかく富士山噴火という内容を掘り下げているのであれば、噴火に対する備え、噴火が起こった場合の行動などがより詳細にあるとよいと思いました。
が、それを差し引いても内容としては濃く、東海・関東にお住まいで、地震に対する備えを少しでもされている方であれば、一度本書を手に取られることを強くお薦めします。噴火の対策は地震対策と共通する部分が多く、準備に厚みを持たせるために呼んでおきたい1冊といえます。
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書籍の情報
著書名…富士山噴火と東海大地震
あなたの生命と家族、財産を守るために
著者…木村 政昭[監修] , 安垣 理ほか[編著]
出版社…イースト・プレス
初版発行日…2001/9/1
紹介文…「MARC」データベース
富士山噴火・東海大地震の可能性を考察するとともに、「公衆電話のほうがつながりやすい」「思わぬ威力を発揮するミニバイク」など、災害から身を守る方法や事前対策を解説。被災後の生活設計についても言及。
目次
- 1章 富士山は、いつ噴火してもおかしくない
~活火山が300年の眠りから目覚めようとしている! - 地球規模で地震・火山活動が活発化している
- 富士山は必ず噴火する活火山
- 富士山の下にある巨大マグマ
- 低周波地震の異常な頻度数
- 富士山の火山活動はP3の段階にある
- 事前の避難で有珠山噴火は被害者がゼロ
- 富士山噴火の活動期は300年休むと始まる!?
- 過去最大級の「宝永の大噴火」
- 富士山の噴火はなぜ深刻なのか
- 2章 連動するか、富士山噴火と東海大地震
~噴火・大地震の予測はどこまで可能か - 富士山噴火と災害の予測シナリオの存在
- 木村教授が懸念する「東海大地震」へのシナリオ
- プレート間地震とプレート内地震
- 三宅島の噴火は富士山噴火の前兆か?
- 伊豆沖・東海地震と富士山噴火は連動するのか?
- 南海地震で河道敷上にある建物の36%が全壊!
- 予知できない直下型地震
- 火山噴火予知連の報告から目が離せない
- 自治体が想定する東海大地震の死者5851人
- 富士山大爆発を警告してきた専門家たち
- 三原山大噴火は1時間の誤差で予知できた
- 噴火前に異常反応を起こす動植物
- 電磁波が地殻変動をキャッチして前兆現象に!?
- 大気中のイオン濃度測定で予知が可能?
- 3章 日本列島中央部を襲う巨大災害
~火山泥流、火山灰、津波、原発事故の恐怖 - なぜハザードマップができなかったのか
- 火砕流で一瞬にして町は全滅!
- 火山泥流の被害は数年続く
- 山体崩壊を繰り返してきた富士山
- 駿河湾一帯を津波が襲う
- 火山灰で農作物は全滅!
- 原発は東海大地震でも本当に安全か?
- 原発が爆発したら死者は数千万人!
- 富士山噴火で世界的な冷害が起きる
- 4章 ライフラインの機能麻痺で住民パニック!
- ~ガス、水道、電気、交通手段、そして情報は……
- 断水は避けられない!
- 完全に機能マヒする陸、空の交通網
- 食料パニックで暴動騒ぎ!?
- 通信網も機能不全!
- 地下やトンネル、高層ビルの被害は?
- 日本の経済活動がストップする
- 病院でも助かるとはかぎらない
- 5章 災害から身を守るサバイバル術
- ~生死を分ける鍵は冷静な状況判断
- 被災時のサバイバルとは
- 家から逃げるときにやっておくべきこと
- 冷静に状況を把握せよ!
- 公衆電話の方がつながりやすい
- まず飲料水を確保せよ
- 首都圏から逃げ出す方法
- パニックに巻き込まれるな
- 無謀な脱出より救助を待て!
- デマが人災を引き起こす
- 夜の外出は避けよう
- 子供たちを震災から守る方法
- 6章 「緊急事態宣言」が発令される日
- ~国・自治体が進める防災体制を知っておくこと
- パニックを避けるには“情報”の把握がカギ
- 着々と進められる東海地震の防災体制
- 国家規模の大災害時に内閣から発令される
- 自衛隊、消防隊員、警察官はいつ出動するのか?
- 各省庁の役割と分業体制
- 海外からの支援、援助の受け入れ体制の不備
- 強まる首都移転の可能性
- 7章 大災害に備える事前対策は万全か
- ~“そのとき”ではもう遅い
- 観光への悪影響を心配するだけではダメ
- 富士山火山防災ハンドブックを配布する官公庁
- 大切なデータはフロッピーディスクに保存しておくこと
- 非常持ち出し袋を常備しよう
- 緊急時には何が一番必要か?
- 予備のお金を確保しておく
- 思わぬ威力を発揮するミニバイク
- 友人、知人、近所の人たちと連携を保つ
- ペットの写真も用意しておこう
- ガラスの被害から身を守る運動靴や手袋
- 真っ先に家族の安全を確保せよ
- 8章 被災後の生活設計をどう立てる
- ~災害に負けない精神力を身につけよ
- 地震保険と建物更正保険
- 離ればなれになったときの連絡方法を決めておく
- 仮設の避難所の現状
- 老人、妊婦、幼児たちの悲惨な生活
- 心の病は焦らず治療せよ
- 1カ月、4人家族の生活費はいくらかかるのか?
- ボランティアはあてにできるのか
- “火事場泥棒”に要注意!
- 便乗値上げに気をつけよう
- 救援物資、義援金は届くのか?