中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド
非常時に役立つBCP・事業継続計画を自社内部で策定するためのノウハウが凝縮された、”超・各論”による詳細な手引き書です。専門用語を使わずに書かれた文章と豊富な図表が分かりやすく、さらに32種類の様式がダウンロード可能で現場担当者を手助けします。
本の価格やレビューを確認する
概要・あらすじ
中小~中堅企業が自社内部でBCPを策定しようとした際の、頭からお尻までの作業手順が詳細にまとめられた書籍です。マニュアル、あるいは手順書という理解でもよいでしょう。各作業で使用する様式・テンプレートをダウンロードすることもできるため、書籍の解説と実際に使うシートを並べて読むことができるため、作業がしやすくなっています。
BCPとは?という基礎知識は最小限になっており、基本的にはBCP策定を進めることがすでに定まっている企業が、では実際にどのような手順で、何からどう手をつければ良いのかということを知るための内容が豊富です。BCP策定の担当者決めとプロジェクトの立上げから、防災対策について、BIA・事業影響度分析の手法、非常時のマニュアルの作り方、そして保守運用まで、至れり尽くせりな解説がみっちりなされています。
もちろんBCPの内容は業種、企業規模、地域によって大きく変わりますので、ある程度最大公約数的な作りにはなっていますが、「BCPを作りたいが社内にその人材がいない」「かといってコンサルタントを呼ぶためのコストは掛けたくない」という会社、また実際にBCP担当となった現場担当者のためのマニュアルとしては最適と言える書籍です。
感想・思ったこと
と、絶賛しているのですが、著者をみておわかりのように、すみません、これは私の自署です。レビュアーが私であることを明かしておりますのでこれはステマではございません、念のため。
ただし、自画自賛をするつもりは毛頭ございませんが、BCP担当者にとってはよい参考書になる本であるとは自負しております。元々私自身がBCPについては素人であり、人様にセミナーなどでポイントをお伝えする必要に迫られ勉強し、しかし資料を読めば読むほど、既存の書籍を読めば読むほど、総論ばかりで実際の作業手順や各論について触れている書物が少ないことに困りました。
そこで、存在しないならば自分で作ってしまえと思い書き上げたのがこの書籍です。BCPのメリットや作るべきかどうか、という点は他の資料や本にお譲りして、当著ではまるまる一切、重箱の隅をつつく細かさでBCP策定の手順をひたすら解説しています。そのため、万人にオススメできる本にはなっておりませんが、「BCPをつくらなきゃ、あるいは見直さなきゃ、でもどうやって?」という担当の方にはぜひオススメいたします。
本の価格やレビューを確認する
書籍の情報
著書名…中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド
著者…高荷智也
出版社…Nanaブックス
初版発行日…2015/06/21
紹介文…出版元紹介文
抽象的で難しいBCP総論は最小限に止め、丸々1冊全てを具体的な作業手順のみで構成。流れを具体的に説明するため、BCP策定に必要な作業を「BCP担当者の任命」から「保守・運用」まで39の工程に分け、順番に説明しています。BCPコンサルタントによるマンツーマンの指導を受けながら策定していくのと同等の効果を実感していただけるでしょう。さらに、作業に必要となるテンプレートや分析シートを、すぐに使える32種類の様式として掲載し、ウェブサイトからダウンロードも可能としています。本書を活用して有事に機能するBCP、経営改善や業績アップにつながるBCP策定にお役立てください。
目次
- 第1章 担当者設定
- ■「担当者設定」の進め方
- 作業1.BCP作成の目的・ゴールイメージの作成
- 作業2.担当者設定・プロジェクトチームの立上げ
- 作業3.BCP策定のスケジュール
- 第2章 災害リスクの想定
- ■「災害リスクの想定」の進め方
- 作業4.自然災害による災害リスクを知る
- 作業5.自然災害以外の災害リスクを知る
- 作業6.自社における災害リスク想定をする
- 第3章 事前防災対策
- ■「事前防災対策」の進め方
- 作業7.地震対策(強い揺れから生命を守る準備)
- 作業8.2次災害・自然災害対策(避難で命を守る準備)
- 作業9.防災備蓄・帰宅困難対策(帰宅抑制の準備)
- 作業10.安否確認対策(従業員及びその家族との安否確認の準備)
- 第4章 経営資源の特定
- ■「経営資源の特定」の進め方
- 作業11.中核事業の設定
- 作業12.重要業務の洗い出し
- 作業13.目標復旧水準・目標復旧時間の設定
- 作業14.経営資源の特定
- 第5章 災害リスク評価
- ■「災害リスク評価」の進め方
- 作業15.経営資源が失われた場合の影響想定
- 作業16.災害リスクによる被害想定
- 作業17.ボトルネックとなる経営資源を定める
- 第6章 個別対策計画
- ■「個別対策計画」の進め方
- 作業18.個別対策計画の作業シートの準備
- 作業19.人の再調達
- 作業20.設備や機材の再調達
- 作業21.情報の再調達
- 作業22.仕入・取引先の再調達
- 作業23.外部サービスの再調達
- 作業24.インフラの再調達
- 作業25.市場・取引先の対策
- 作業26.財務診断・キャッシュフロー対策
- 第7章 緊急時対応
- ■「緊急時対応」の進め方
- 作業27.緊急時の初動対応の事前準備
- 作業28.緊急時の状況確認の事前準備
- 作業29.仮復旧の事前準備
- 作業30.本格復旧の事前準備
- 第8章 BCPの書類化
- ■「BCPの書類化」の進め方
- 作業31.緊急時対応マニュアル(BCP本体)のまとめ
- 作業32.BCP策定資料のまとめ
- 作業33.BCP保守・運用マニュアルのまとめ
- 第9章 有効性確認
- ■「有効性確認」の進め方
- 作業34.有効性確認の準備
- 作業35.個別文章確認(ドキュメントの個別チェック)
- 作業36.実地テスト・机上演習(緊急時を想定した有効性確認)
- 第10章 保守・運用
- ■「保守・運用」の進め方
- 作業37.演習や訓練を通じてBCP活用の練度を上げる活動
- 作業38.BCPのバリエーションを増やす活動
- 作業39.記述内容を最新状態に保つ活動