実践編…飲料水を日常備蓄する(単身者・ファミリー)
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執筆者:高荷智也
飲料水の日常備蓄の実践…都心のマンションで1人暮らしの場合
では、具体的なシチュエーションを検討してみましょう。
考え方
大都市圏にあるマンションは、大規模災害が発生した際に孤立しやすくなる場所です。またマンションや集合住宅の多くは、停電するとポンプが停止してもれなく断水するため、水の備蓄が必須となります。
さらにタワーマンションに住んでいる場合、地上に給水車などが来たとしても、それを自室まで運び込むことは極めて困難です。エレベーターが動く平時に、少しずつ水を備蓄するのがよいです。
そのため、目安となる備蓄量は「1週間以上」を基本とします。また単身世帯の場合、非常時に分担して物資を調達することが難しいため、「2週間分」の飲料水があってもよいでしょう。
ステップ1:初回分の水を購入する
2リットルのペットボトル、6本入りの箱を3箱購入します。これが初回の備蓄となります。全て担いで持ち帰るのは大変ですので、18日間かけて1本ずつ増やしてもよいですし、ネットショップなどで購入して宅配してもらってもよいでしょう。
購入する水は、賞味期限が2年程度あれば十分ですので、安価なもので構いません。またできれば国産の軟水のものの方が、体になじむ方が多いでしょう。飲んだことのないペットボトル水であれば、できれば1本飲んでみて、好みに合うかを確認できるとベストです。
ステップ2:月に1本飲んで、1本補充する
購入した3箱・18本のペットボトル水は、どこで保管しても構いませんが、直射日光だけは避けるようにしてください。
この水を、月に1本飲んで、飲んだら1本補充します。これで、18ヶ月ごとに商品が全て入れ替わりますので、賞味期限が2年あれば十分回転できます。
月1本のノルマ(?)を続ける限り、手元には常に18本・36リットルの飲料水が確保できますので、1~2週間程度の飲料水としては十分な量の備蓄ができます。
補足
なお、ペットボトル水を飲む習慣がない場合は、お茶・炭酸水・ジュースなどに置き換えても構いません。賞味期限が短くなる場合は、月に飲んで入れ替える頻度を増やすか(2週間に1本など)、備蓄する分量を減らすなどして、「賞味期限以内に、無理なく全てを入れ替えられるペースと分量」になるようにしてください。
飲料水の日常備蓄の実践…地方の戸建てで4人暮らしの場合
続いて、ファミリー世帯の場合の、飲料水の日常備蓄を検討します。
考え方
郊外や地方の戸建て、あるいはアパートなどは、徒歩による買い物や給水車などから水をもらうことが、マンションなどに比較すれば行いやすい環境になります。が、非常時にこうした物資をスムーズに入手出来るとは限りませんので、日常備蓄が重要であることに変わりはありません。
一方、家族の人数が多い場合は、保管場所が課題となります。自宅で備蓄品に割り当てられるスペースの大小で、備蓄可能な物資の量がおおよそ定まります。
飲料水の場合は、最低「1名1箱」が基準となります。2リットルのボトル6本入りの箱が人数分あれば、3日分の量としては十分、また飲料のみに用いて節約すれば1週間程度持たせることができる量です。
ステップ1:初回分の水を購入する
2リットルのペットボトル、6本入りの箱を4箱購入します。これが初回の備蓄となります。近所のスーパーやドラッグストアに売っている安価なものを購入するか、ネットショップなどで宅配してもらうのがよいでしょう。
購入する水は前述の通り、賞味期限が2年程度あれば十分ですので、安価なもので構いません。
ステップ2:月に1本飲んで、1本補充する
4箱・24本・賞味期限24ヶ月(2年)のペットボトル水であれば、月に1本飲んで1本補充すれば、賞味期限以内に全て回転させることができます。
なおちょうど期限ぎりぎりで入れ替えなければいけない、という決まりはありませんので、毎日1本のペットボトルを消費するのであれば、毎日1本消費・週1回1箱補充、などの方法でも構いません。この場合は、賞味期限が1ヶ月程度のものでも、日常備蓄にすることができます。
スペースに余裕がある場合
保管スペースに余裕がある場合は、賞味期限以内に消費できる量から逆算して、消費しきれる量のペットボトル水を備蓄してください。
1日1本のペットボトルを空ける場合は、理屈の上では賞味期限2年のペットボトル飲料を730本備蓄することができます(さすがに保管しきれないと思いますが)。
あるいは週に1本のペットボトルを消費できるのであれば、2年で約100本…17箱分のボトルを回転させられます。量で言えば200リットル、1日の目安3リットルで割れば66日分。4人家族でも2週間分の十分な日常備蓄が完了します。
補足
単身世帯の事例と同様、ペットボトル水を飲まない場合で、水以外に常飲しているお茶・炭酸水・ジュースなどがあれば、一部あるいは全部をそうしたものに振り替えても構いません。
家族世帯の場合は、それぞれに飲料の好みがあります。そのため、全てを同一種類にせず、水を1箱、お茶を1箱、清涼飲料水を1箱、炭酸水を1箱、など分割しても構いません。
これらを定期的に飲み、補充し続ければ、これで飲料水の備蓄は完了です。