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飲料水の日常備蓄(ローリングストック)のポイント

最終更新日:

執筆者:高荷智也

飲料水を日常備蓄する目的

自然災害が発生すると断水が生じることが多くあります。以下のような自体に対処するために、飲料水の日常備蓄(ローリングストック)が必要になります。

  • 大地震…水道管の物理的な破壊による断水
  • 台風(暴風)…停電の発生で、高台やマンションに送付するポンプが止まる異による断水
  • 火山の噴火…大規模な噴火による降灰で生じる断水、あるいは河川の汚染で浄水場が停止した場合に発生する断水

なお、食糧備蓄の対象として重要な、新型インフルエンザや新型コロナウイルスによる感染症パンデミックでは、ライフラインの維持が最優先事項のひとつとなりますので、飲料水の備蓄の必要性は低くなります。

日常備蓄する飲料水の量

飲料用、調理用、衛生用などをあわせて、1日辺り3リットルが目安とされています。期間としては、最低3日分、できれば1週間分を目標としてください。

飲料水3日分を準備する場合

3日分の飲料水を2リットルのペットボトルで準備する場合は、おおよそ1名につき1箱(6本入り)が目安の量となります。4人家族なら4箱分です。

l  1名で…3L×1名×3日分=9リットル
2Lのペットボトルで約5本なので、6本入りの箱が1つあればおおむねOK。

l  2名で…3L×2名×3日分=18リットル
2Lのペットボトルで9本分、6本入りの箱が2箱あれば十分足りる

l  3名で…3L×3名×3日分=27リットル
2Lのペットボトルで約14本分なので、6本入りの箱が2~3箱あればOK

l  4名で…3L×4名×3日分=36リットル
2Lのペットボトルで18本分、6本入りの箱が3箱あればちょうど足りる

飲料水7日分(1週間分)を準備する場合

7日分(1週間分)の飲料水を2リットルのペットボトルで準備する場合は、おおよそ1名につき2箱(6本入り)が目安の量となります。4人家族なら8箱分です。

l  1名で…3L×1名×7日分=21リットル
2Lのペットボトルで約11本なので、6本入りの箱が2つあればおおむねOK。

l  2名で…3L×2名×7日分=42リットル
2Lのペットボトルで21本分、6本入りの箱が4箱あれば十分足りる

l  3名で…3L×3名×7日分=63リットル
2Lのペットボトルで約32本分なので、6本入りの箱が5~6箱あればOK

l  4名で…3L×4名×7日分=84リットル
2Lのペットボトルで42本分、6本入りの箱が7箱あればちょうど足りる

日常備蓄する飲料水の種類や調達方法

高価な長期保存水ではなく、安価な「その辺で売っている水」でOK

ペットボトル水の賞味期限は、価格に応じていくつかの設定があります。一般的な商品の賞味期限は1~2年ですが、防災備蓄用に作られた商品の中には、5年・7年・10年・15年と長期保存ができるペットボトル水もあります。

自治体や企業が行う備蓄の場合は、長期保存水を大量に購入し、定期的に入れ替える場合もあります。しかし個人が家庭で行う、水の日常備蓄の場合は、「普段から飲んで、無くなったら買う」を繰り返しますので、過剰な賞味期限の設定は必要ありません。

ペットボトル水は、基本的に賞味期限が長くなると、高額になります。しかし日常備蓄用であれば、スーパーやドラッグストア、またはネットショップなどで販売されている激安ペットボトル水で構いません。2リットルであれば100円以下、6本入りの1箱で500円以下、などが目安になるでしょうか。

2リットルか500mlリットルかは、ライフスタイルにあわせて調整

ペットボトル水のサイズは、おおよそ2リットルの大きなボトルか500ミリリットルの手の平サイズのものが一般的です。価格とスペースだけを考慮するのであれば、2Lのボトルの方が有利です。

一方、毎日外出先でペットボトルを購入する、などの生活習慣がある場合は、500mlのペットボトルを大量に購入しておき、これを日常備蓄として少しずつ入れ替えるのがよいでしょう。

ウォーターサーバーの契約でも日常備蓄はOK

また、ウォーターサーバーなどを使っている場合は、もちろんそれがそのまま日常備蓄になります。契約できる量を調整できるなら、少し量を多めにするとよいでしょう。マンションなどに住んでいる場合は特に有効です。

ただし、ウォーターサーバーは頭が重たく「大地震で転倒しやすい」器具のひとつですので、室内に設置する場合は固定をきちんと行うか、転倒しても周囲に被害を及ぼさない場所に設置するようにしてください。

必ずしも「水」である必要はない

なお、日常備蓄をする飲料水は、かならずしも「水」である必要はありません。お茶、炭酸水、ジュース、清涼飲料水など、アルコールでなければ何でも構いません。

普段からペットボトル水を購入している場合は、それを多めに確保すれば、それがそのまま日常備蓄となります。しかし地方など水道水が美味しい地域は、水を購入するという習慣が皆無な場合もあります。

このような場合は、「普段から飲んでいるもの」で、賞味期限が長いものを多めに購入し、これを日常備蓄として準備することで対応できます。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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